食生活チェック表を用いて栄養摂取のバランスを確認した後に実施するのは、それぞれの方の生活習慣病のリスクに応じて、指導内容をアレンジすることです。血圧が高い人には、塩分摂取を控えるように指導されるのが一般的で、調理で塩分が多くなりがちな煮物、焼き物のほか漬物も控えるように言われがちです。
塩分によって血圧が上昇する食塩(ナトリウム)感受性が高い人だけで、その割合は日本人では高血圧の人のうち30%ほどとされています。それ以外の食塩非感受性の人は食塩を摂っても血圧が上がらず、高血圧であって食塩を減らしても血圧が下がらないという特徴があります。
血圧が高いと動脈にかかる圧力が高くなり、血管が傷みやすくなることから、血管を丈夫にするための栄養摂取として、良質なたんぱく質の摂取がすすめられます。良質なたんぱく質というのは、必須アミノ酸(体内で合成されないために飲食で摂る必要があるアミノ酸)がバランスよく含まれた食品で、これに該当するのは肉類、魚類、卵、乳製品、大豆・大豆製品です。
たんぱく質はエネルギー源であるので、多く摂取する場合には糖質、脂質を減らし気味にします。脂質のエネルギー量は1gあたり約9kcalで、糖質とたんぱく質の約4kcalと比べると2倍以上のエネルギー量があります。そこで脂質が多い肉類、魚類の摂取を減らして、代わりに卵、乳製品、大豆・大豆製品の摂取を増やすことを説明します。
内臓脂肪が多いと血管が拡張しにくく、血圧が上昇しやすくなることから、全体のエネルギー量を減らすことの大切さを伝え、高血圧のリスクが高い人にだけエネルギー源の摂取量を聞くようにしています。糖質の摂取量は食生活チェックで1日の主食の量として聞いているので、主には脂肪の摂取量を確認しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕