食生活チェック表の概要について前回は紹介しましたが、それに続いてチェック内容を見ながら指導するときのことについて紹介していきます。
チェックの結果を見ながら話をさせてもらうときには、いきなり改善点を伝えるようなことはしていません。ここが病院などでの栄養指導と違っているところです。本人が意識していないことを、いくら頑張って説明しても通じないことは臨床栄養の世界にいて実感してきたことだからです。
初めに「チェックをしてみて、どう感じましたか」と聞いています。チェック項目に書かれている食品は、どれも食べたほうがよいのだろうということは誰しも想像がつくことです。自分は食べていないけれど食べたほうがよいのか、という疑問・質問が出てきたら、指導は半分成功したようなものです。
食生活チェック表には1週間に食べる回数しか書かれていませんが、回答をする人のために色付けしてあります。それは赤・黄・青の信号の色で、その意味は信号と同じです。赤は避けるべきことで、黄は注意すること、青は続けることという簡単な分類です。
赤の回数を急に青に変える(回数を増やす、逆に回数を減らす)のは、食べる人にも作る人にも負担をかけます。そもそも摂取回数が少ないか食べていないのは、好きではない、作るのに手間がかかるということがあるので、生活パターンにも影響を与えることになります。
そこで赤は黄に、黄は青に変えるようにしていくわけですが、変えなければならない項目が多くあるときには優先順位をつけています。特に重要なことからで、生活習慣病のリスクが高い人の場合には優先ポイントがあります。そのために生活習慣病のリスクに関わるチェック項目も設けています。
そういったことがあるので、返答の内容も指導についてもパターン化しにくくて、千差万別の対応になっていきます。それは食生活チェック表を信じて取り組んでくれた方への当たり前の対応だと考えています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)