健康食品 敵か味方か46 「医薬品でないにも関わらず」の意味

健康食品の広告が法律違反に問われると、新聞やテレビなどでは「医薬品でないにも関わらず効能効果を表示して販売した」と報道されることがあります。健康食品は、あくまで食品であって、医薬品ではありません。

医薬品ではないものなのに、なぜわざわざ「医薬品でないにも関わらず」と言われなければならないのか、効能効果を伝えるような販売は、まるでニセ薬を販売したかのように処分されなければならないのかという感想もあるかと思います。

健康食品の場合には、医薬品だけに許可されている効能効果を表示したり述べたりして販売すると、ニセ薬として扱われるのです。その根拠となっているのは、医薬品医療機器法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に基づく、「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」です。

このマニュアルの名称で気になるのは、無承認無許可医薬品という言葉で、医薬品は承認と許可をされて販売することができます。その承認と許可を受けていないものはニセ薬で、健康食品の場合にも同じように判断されます。

ニセ薬は危険性があり、社会を混乱させることにもなるということで、医薬品医療機器法によって販売禁止、回収、法的処分(罰金、逮捕など)といった厳しい対応が行われます。

効能効果を述べて販売できるのは医薬品が大原則で、健康食品の場合には特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品だけは機能性の一部を表示することができます。その表示も病気の診断、治療。予防に関わることは禁止されていて、医薬品的な効能効果を表示して販売することはできないのです。

禁止されているのは医薬品的な効能効果だけでなくて、医薬品と同じ用法用量も表示できません。どんな人が、これだけの量を、いつ摂取するかということで、このような用法用量を表示して販売したら、医薬品的な効能効果を表示したのと同様に厳しく処罰されることになるということです。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕