事業の効率化を図ることを目的とした団体などでの講話や、企業内で経営者が社員に努力をすべきとして話すことに「1.01の法則と0.99の法則」があります。これまでにも、この法則を口にする人に何度も会ってきました。その話で元が、楽天グループの三木谷浩史著の『成功のコンセプト』だと聞くと、さらに納得してしまう人もいます。
この法則は、毎日同じことを繰り返していると1.00だが、わずか1%の努力をして1.01とすると、これを1年間(365日)繰り返すことで37.8(37.7834343)にもなる、つまり37.8倍の結果になるということを示しています。
それに対して、1%の努力を怠ると0.99になり、これを1年間繰り返すと0.025(0.0255179645)となるので、頑張ろうと結論づけられることが多いようです。
企業にとっては、わずかな差でも大きな結果の違いになる、ということを言いたいのでしょうが、なぜ1.01を掛け算にするのか、プラスになった努力の結果は足し算ではないか、との考えが巡ります。
ウォーキングの歩数に例えると、1日に10000(1万)歩を歩いていた人が、1%をプラスすると100歩なので、努力というよりも誤差の範囲です。1.01×1.01=1.0201で、これを毎日1%ずつ増やしていくと(掛け算をしていくと)3780歩になります。
「なんと10000歩しか歩けなかった人が13780歩も歩けた」と言われても、その程度にしかならないのかという感想です。そんなにしかならないのか、という考えが出ている一方で、これは個人レベルの話で、住民が1%を増やしたら凄い結果になるのではないか、と聞かれることもあります。
1歩の経済価値という医療費の削減の計算があって、それは0.061円とされています。100歩を増やすと1日あたり6.1円です。1年間では2226.5円で、これでも大した額ではありません。ところが、1万人が実施すると2226万5000円となります。
この金額を健康イベントとしてのウォーキングの開催に使ったとすると、1万人が1万歩を余計に歩いた場合には、その日だけで610万円分が削減できる計算となります。このイベントを毎月実施すると7320万円と、大きな成果が出るという話をしています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)