医療機関では医師の指示のもとに栄養指導、運動指導が実施されます。栄養も運動も健康づくりの基本となるだけに、健康デザインの重要なパーツとなっています。身体と疾病の専門家である医師への期待は大きなものがあるのは間違いがないことですが、実際の知識となると個人差があります。
医療機関では栄養指導は医師が実施することは、ほとんどありません。それは医師が行っても保険点数がつかないからで、保険点数がつくのは管理栄養士の栄養指導だけです。そのため、医師を養成する医学部でも栄養学はすべての大学にあるわけではなく、講座がある医学部でも限られた内容となっています。
限られた内容というのは、栄養不足と疾病の関係が主で、多くの人が期待する栄養素の積極的な摂取による健康増進については学んでいません。栄養学の講座があっても必修ではないので、多くが医師になってから学んでいるのが実情です。
運動についても、医療機関で指導をするのは理学療法士や健康運動指導士などです。それもあって、生活習慣病の改善には運動が必要だと医師から告げられるときにも、具体的な運動の種類と方法ではなく、「もっと歩いてください」というレベルの指示が多くなっています。
健康運動指導士は厚生労働大臣の認定事業の一つで、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定しています。健康運動指導士は厚生労働大臣認定運動型増進施設には必置(いつ利用しても1人以上が在籍)で、初めは厚生労働大臣認定運動型増進施設の調査・指導団体の公益財団法人日本健康スポーツ連盟が担当する予定でしたが、別法人が設けられて、今は施設は日本健康スポーツ連盟、人は健康・体力づくり事業財団と区分けされています。
このような経緯もあって、日本健康スポーツ連盟は健康運動指導士の更新教育を担当しています。私(小林正人)は、同連盟の理事として健康運動指導士の更新教育を担当していました。そのときの経験を健康デザインの運動に活かせるように進めています。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕