日本老年学会と日本老年医学会は、現在の高齢者は心身ともに以前に比べて若くなっていることから、「高齢者は65歳から75歳に引き上げるべき」との主旨の提言をしています。確かに、現在60歳前後の人が小学校の低学年だったときに、60歳というと随分と年寄りという感覚があったはずです。しかし、その年齢に自分がなってみると、案外と若いと実感しているのではないでしょうか。
これはエビデンス(科学的裏付け)というよりも感覚的な部分が大きいかもしれませんが、「60歳は±10歳」、「70歳は±15歳」、「80歳は±20歳」の身体的な若さということが医学関係者では語られています。プラスとマイナスの幅には説が多々あるものの、60歳で50歳、70歳でも55歳、80歳でも60歳の身体的な状態の人がいることになります。「いつになっても年を取らない」随分と若い人がいることになりますが、それを望んでも60歳になるまでにやってきたことが身体を老化させることだったら、逆に現在の年齢にプラスしなければならないことになります。
その老化させることというと、食べすぎや運動不足による血圧、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値の上昇、喫煙習慣、飲酒習慣、活性酸素の過剰発生などがあげられ、これらは徐々に身体にダメージを与えることから60歳になってから慌てて対策に取り組んでも効果は上げにくくなっています。
それとは逆に年齢よりも若い身体のためには適度な運動、バランスの取れた栄養、充分な休養という誰にも通用する身体によいこととなりがちですが、これに加えたいのが三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10です。この3成分の詳細は本サイトの「サプリメント事典」で説明しています。α‐リポ酸は細胞のミトコンドリアに糖質を取り込む働きがあり、L‐カルニチンは脂質を取り込む働きがあります。そして、コエンザイムQ10はミトコンドリアの中でエネルギーを作り出すときの補酵素となっています。
三大ヒトケミカルはエネルギー代謝に必要な成分であることから体内で合成されているものの、20歳代をピークに減少し続けます。他に代わりになる成分はなく、不足すると代謝が低下するだけでなく、作り出されるエネルギーが減っていきます。そのために三大ヒトケミカルの不足はパワーも低下して、身体を細胞レベルから若々しく保つ能力も低下していくことになります。
実年齢よりも若い人は、それを保つために、実年齢よりも老化している人は老化を少しでも遅らせ、場合によっては実年齢に近づけられるようにするためにヒトケミカルを摂取すべきだということを提案しています。