生涯にわたっての健康を考えるときに分岐点となるのは70歳です。この年齢は日本人の平均年齢(男性:81.47歳、女性:87.57歳)からすると晩年にあたるわけですが、生涯医療費を見ると70歳までと70歳を過ぎてからの医療費がほぼ同じになっています。
生涯医療費というのは個人が一生涯に使う医療費のことで、その平均は2700万円で、男性は2600万円、女性は2800万円とされてきました。このうち個人が支払うのは社会保険によって違っていて、1割から3割の範囲で支払っています。これ以外は国、自治体、健康保険組合などが支払っています。
生涯医療費は年々上昇傾向があり、四捨五入をすると、もう2800万円(男性:2700万円、女性:2900万円)になっています。実際に、この金額を超えるのは時間の問題です。
医療費のピークは76〜80歳で、いかに人生の最後で医療費がかかっているかを示しています。女性の生涯医療費が多いのは、長生きであることから、それだけ多くの医療費がかかっているということです。
生涯医療費の波を低く抑えることができれば、それは個人にとっても国や自治体などにとっても出費が抑えられることであり、人生の晩年で使う金額が医療費であるのか、それとも自分や家族などに使うことができるのかで、人生の締めくくりの幸福度が違ってきます。
生涯医療費の分岐点である70歳の時点で、それまでにかかった医療費が少ない状態であれば、70歳以降に使われる医療費も少なくて済むことを示しています。70歳が近づいてきてから健康に気をつけた生活をしても手遅れということで、50歳を超えたら積極的に健康づくりに取り組むべきであるということがわかります。
それぞれの人の生涯医療費は70歳までの医療費の倍で済むのか、平均の金額を一気に使うことになるのか、それは本人の意識と努力によって結果が異なるということになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕