健康デザイン26 ノルディックウォーキングの有効性

2本のポールを用いたウォーキングは上半身も使って歩くことから、主に使われる筋肉が違ってきます。通常のウォーキングの場合には下半身(ヘソから下)の70%ほどの筋肉が使われます。

それに対して、ポールを用いたウォーキングは首から下の筋肉を使うことになるので、90%ほどの筋肉が使われます。といっても、北欧発祥のスポーツ感覚で勢いよく歩くノルディックウォーキングは90%の筋肉が、大きく使われますが、安定性を求めるポールウォーキングの場合は2本のポールに体重を分散させることになるので、通常のウォーキングとエネルギー消費量は大きくは変わりません。

しかし、ポールがあることで足腰の負荷が軽減することから、長い距離を歩くことになります。運動のエネルギー消費は「運動負荷×時間」であることから、長く歩くことは筋肉を長く使って、健康度を高めることにもつながります。

効果は高いものの、その分だけ注意しなければならないことがあります。それは身体的な負荷が弱まることで、疲労を感じにくくなり、本人が感じているよりも心臓や血管の負荷が高まっていることがあるからです。

楽に歩けるようになっているので、心臓や血管の負荷が少ないようにも感じてしまいますが、想像以上に心拍数が高まっていることがあるので、運動に適しています状態での実施を控えるようにすることと、できれば心拍数を測定することがすすめられます。

心拍計を装着するまでのことをしなくても、信号なりで止まったときに、手首で1分間の脈拍を数えて、心拍数を把握して、無理がかかっていないことを確認してから続けるようにします。それが有効性を得ながら、安全に続ける方法といえます。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕