健康食品は一般にサプリメント(supplement)と呼ばれます。これは食事で不足する栄養素を補うダイエタリー・サプリメントを略したもので、健康のために積極的に摂取する成分という意味ではありません。
海外ではコンプリメントという発想の補助食品があります。しかし、コンプリメントという言葉を使うと勘違いされることがあります。それは発達障害などによって引きこもりをしている子どもに対して実施される“褒め言葉”や“丁寧な対応”がコンプリメントと呼ばれていて、その講習が盛んに行われているからです。
岡山では、発達栄養に限らず、発達障害児の生活面での対応にも関わっていることから、よく耳にする言葉であり、その関係者には勘違いにもつながることから、あえて使わないようにしています。
引きこもり対策としてのコンプリメントは「compliment」で、積極的な栄養摂取のほうのコンプリメントは「complement」と書きます。「complement」は相補と訳されていて、「他のものの質を向上させ、強調する方法でプラスの機能を与えて完全なものにする」という意味合いがあります。
似たような意味でシナジー(synergy)がありますが、これは相乗という意味で、掛け算の効果を示しています。それにコンプリメント(complement)は足し算の効果で、栄養補給では掛け算までの効果は期待しにくいところです。
足し算でも的確なものを摂取するためには、個人に適したものを選択して、個人に適した使い方を指導するアドバイザーが必要だと認識しています。運動でいえばパーソナルトレーナーのようなもので、健康食品でいうならコンプリメントのパーソナルアドバイザーとなります。
これも的確なコンプリメントがあってのことですが、幸いなことに私たちはL‐カルニチンというエネルギー代謝に欠かせない成分の研究を20年以上にわたって続けることができました。その研究の国内における第一人者は、日本メディカルダイエット支援機構の王堂哲副理事長です。
(L‐カルニチンについては次回に説明します)
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕