健康食品は、それぞれの有効性を示して販売されています。例えば、肝機能を高めるものとしてはウコンのクルクミン、シジミのオルニチンなどがあげられます。これさえ摂れば肝機能が高まることを期待したいところですが、効果の現れ方には個人差があります。
“個人差”と簡単に言い表されることがあるものの、それは体質のようなものとは違って、せっかくの機能性が発揮されにくい人がいます。その大きな理由とされているのはエネルギーの差です。
身体の機能を高めるためにはエネルギーが必要です。体内のエネルギーは細胞内のミトコンドリアで、エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を使って作り出されています。細胞の中だけでエネルギーは作られ、そのエネルギーは細胞の中だけで使われます。
細胞の中で起こる機能はエネルギーが必要であり、機能を高めるにはエネルギーが多く必要になります。細胞内の働きを高めるために酵素が使われていますが、この酵素の効きをよくするためにも多くのエネルギーが必要になります。
肝臓を構成する肝細胞は2500億個あるとされています。肝細胞は複数の働きをしていますが、充分に働くためには多くのエネルギーが必要です。そのために肝臓にはミトコンドリアの数が多く、エネルギーが多く発生するほど肝機能は高まっていきます。
肝細胞のエネルギー源のうち糖質のブドウ糖はミトコンドリアに取り込まれやすいのですが、エネルギー量が多い脂肪酸(ブドウ糖の2倍以上)が取り込まれるのには条件があります。それはL‐カルニチンが必要だということです。
脂肪酸はL‐カルニチンと結びついてミトコンドリアの膜を通過しています。L‐カルニチンが不足すると通過できる脂肪酸が減ることになります。L‐カルニチンは体内で合成されるものの、そのピークは20歳代前半で、あとは加齢につれて合成量が減り、脂肪酸の取り込みも、エネルギー化も低下することになります。
肝臓に限らず、内臓の機能を高めるためにはL‐カルニチンが必要になるわけですが、以前は医薬品の成分であったL‐カルニチンが今では食品の成分としてサプリメントから摂れるようになっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕