ストレスというと、「あの人はストレスだよね」といったように、自分にとって精神的なプレッシャーをかけてくる人のことを指すこともあるのですが、そのプレッシャーをかけてくる人はストレスではありません。
ストレスは結果であって、その原因はストレッサーと呼ばれます。ストレッサーによって強いプレッシャーを受けて、心身に歪みが生じた状態がストレスです。
ストレスという言葉は、もともとは物理学の分野で使われていたもので、外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態を指しています。風船を押すと歪みによって形が変わります。この歪みは圧力がなくなれば元の状態に戻ります。これに対して金属の場合には圧力がかかっても簡単には歪みは生じないものの、歪んでしまうと元に戻ることができなくなります。これが強いストレス状態です。
私たちの身体が風船のような柔軟性をもっていればよいものの、どちらかといったら金属のようなものと考えられます。ストレスが生じても気づきにくく、知らない間に蓄積されたストレスによって、後戻りできないようなトラブルを起こしかねないのです。
身体は外部から刺激を受けて緊張状態が高まると、これがストレスとして影響を与えます。このストレスは目には見えないために感じにくいのですが、ストレスによって間接的に起こったことを通じてストレス状態に気づくことができます。その気づきのポイントとしては、心理面と身体面のストレス反応に大きく分けられます。
心理面のストレス反応はイライラや気分の落ち込みが代表的なものです。身体面では頭痛、肩こり、腰痛、目の疲れなどがあり、食欲低下、便秘や下痢、不眠などの症状も起こります。この後半のストレスサインは肌の状態にも影響を与えることで、肌荒れがストレスのセンサーになってストレス状態が発見されることもあるのです。
サインが出ているときに、これを気づかずに放っておくと調子が崩れていく一方となります。気づいたとしても、まだ大したことはないと思ってしまう人も少なくありません。
ストレスサインは肌に表れやすく、肌の調子が低下したときには、思った以上のストレスがかかっていると思って、早めの対処をすることが大切になります。
早めの対処といっても、従来から言われているような気分転換をする、休息を取るといったことだけでなく、肌の状態に影響が出ているとしたら、それを根本的に解決することにも取り組むべきだということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕