健康づくりの方法は、さまざまな研究が進められています。その中には海外での研究成果を、そのまま導入して実施しているものもあれば、日本で生まれたもの、日本人のためのアレンジを行ったものがあります。
日本で生まれたものであれば日本人に適したものであるのかというと、そうとは限らないというのが実際のところです。これについては個々の食事や運動、リラクゼーションなどの方法を分析して紹介していく必要があるので、ここでは総論的な話で止めておきますが、同じ運動の成果であっても、日本人とアメリカ人では大きく違うことがあります。
例えば、日本人は無酸素運動で使われる白筋の割合が30%ほどで、有酸素運動に使われる赤筋の割合は70%ほどと、酸素を取り込んで多くのエネルギーを作り出す持久系の運動が圧倒的に優れています。
「それ対してアメリカ人は」という表現がされますが、アフリカにルーツがある黒人系とヨーロッパにルーツがある白人系だけでも大きな違いがあり、さらに多くの人種が混在していて、ハーフ、クォーターなどの要素もあって、単純にアメリカに住んでいる人の特性を表すことは困難です。
大きく黒人系と白人系を分けただけでも、黒人系は白筋が70%ほど、赤筋が30%ほどになっています。白人系は出身地によって差があるものの、白筋が40〜50%、赤筋が50〜60%となっています。
欧米の方からはアジア系で一括りにされることがあり、日本人でも中国人でも同じような方法がとられることがありますが、日本人は代謝が低くて血液温度が低いのに対して、中国人の多くは北方系で代謝が高くて血液温度が高いという違いがあって、これも人種の違いとして考えなければ、適した健康づくりを提供することはできません。
目の前に示された健康づくりの方法と、その成果が、誰を対象にして得られたものなのかを知らないことには簡単に受け入れることはできないのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕