発達栄養127 グレーゾーンの食事

発達障害のグレーゾーンは正式の診断名ではなくて、診断基準を満たしていないが、発達障害(自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害など)と同様のことが起こっている場合に指摘されます。

発達障害の診断は、問診(子どもと保護者の面接)、行動観察を行い、必要に応じて心理検査、発達検査、知能検査、併発しやすい障害や病気の検査が行われます。

診断基準に達していないのが1〜2つだけなら、それほどの発達障害と同様の症状は見られないかもしれないものの、数多くの診断基準でギリギリの状態が確認されていても、診断基準を満たしていなければ、これはグレーゾーンとなります。

発達障害は生活に困難さがあり、これを改善することが重要であるのに、グレーゾーンの状態では改善のためのアプローチができないのが現状です。

発達障害は生まれつきの特性であって、生まれつきが認められない場合や、特定の条件で特性が現れるのもグレーゾーンとなります。

医学的には発達障害の診断が下されずにグレーゾーンとされるものの、実際には発達障害と同じことが起こっているので、これに対応する必要があります。しかし、発達障害に診断されないと改善のための公的な支援が受けられません。

そのような場合にできる支援として初めに考えられるのは、食事面での改善のための支援と考えます。栄養学は、さまざまな対象に対応していて、医療分野の臨床栄養は子どもの発達に関わる研究に基づいて、入院患者に対しては治療行為として実施されているところもあります。

しかし、すべての医療機関ではないことから、家庭での栄養面でのアプローチである“発達栄養”です。