元祖vs.本家

元祖と本家の違いについて初めに考えるきっかけになったのは、子どものときに訪れた温泉街で見た看板です。その温泉街には、父の転勤で幼いときに住んでいたのですが、小学生になって父母、弟と一緒に出向きました。

そのときに、名物の餅菓子の店が道路を挟んで2店舗あって、片方は元祖、もう一方は本家となっていました。疑問に思ったのは、どちらが先に誕生したのか、どちらが有名(売れている)なのかということでした。

温泉宿や土産物店の方に、子どもの疑問をぶつけたのですが、わかったような、わからないような説明をされて、はぐらかされてしまいました。両方の店の商品を扱っているので、言いにくいのはわからないでもないのですが。

元祖は物事の創始者を表す言葉で、今では全国で見られるようになったラーメンの魚介と豚骨のダブルスープの元祖は麺屋武蔵です。東京にいたときに食品分野で一緒に活動していたのが、麺屋武蔵の創業者でした。

本家は一族の中心となる血筋のことで、元は芸事の家元を指していましたが、あらゆる世界に広がっています。本家から離れても関係性を持って独立したところは分家と呼ばれます。同じブランドを用いた別の店は、家族・親族でなくて修業した人が独立した場合は分家となります。

この伝でいうと、麺屋武蔵の各店は、麺屋武蔵と各店舗ごとの名称をつけたダブルブランドとなっています。すべての店長は本家で修業して、元祖の許可を得て独立しているので、麺屋武蔵1号店は本家となります。

どちらが格上だということではなくて、ともに業界や地域などを盛り上げていく立場で、切磋琢磨していくことが重要ということを、麺屋武蔵の元祖が話していました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕