常に身体を温めておくためにするべきこと

身体が冷える人や血流がよくない人には入浴は効果があります。入浴は浮力と水圧による血流促進と緊張緩和効果に温熱効果が加わり、血流をよくするだけではなく、自律神経の調整による興奮と抑制の切り換えといった効果も得られます。入浴は身体によい効果があるといっても、ずっと入浴しているわけにはいきません。入浴の効果を、すべて得られる他の健康法というのは、なかなかないのですが、身体を温めることなら温熱治療器や湯たんぽ、温湿布などを使う手もあります。
温熱治療器は、ただ当てたところを温めるだけではなく、全身に365個あるとされる東洋医学のツボから熱エネルギーを体内に注入して身体を温めるだけでなく、ツボ刺激による内臓の働きの調整、自律神経の調整、痛みの解消・軽減といった効果も得られます。鍼や灸を使ったツボ療法は点の刺激なので一般の人にはピタリととらえるのは難しくても、温熱治療器は面で当てるので、だいたいの位置に当てても必ずツボにヒットします。
同じ温度であっても熱く感じるところ、痛く感じるところがあり、この反応はツボへのヒットを意味します。また、身体の状態がよくないところに当てた場合には熱く、もしくは痛く感じるという特徴があります。その場所に当てることで治療をすることができるわけです。
この温熱療法についても、いつでもできることではありません。いつでもできることとして一番に取り組んでもらいたいのは、身体の中で発生する熱量を増やすことです。体内で作り出される熱、いわゆる体熱はエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が変換されるもので、日本人の場合には全エネルギー量のうち約70%が体熱となります。ATPを作り出しているのは全身の細胞の中にあるミトコンドリアで、ATPの原材料となっているのは三大エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質です。このうち糖質をミトコンドリアに取り込んでエネルギー化するためにはα‐リポ酸が必要になります。脂質を取り込むのに必要なのはL‐カルニチンです。この取り込んだものを盛んにエネルギー代謝させるためにはコエンザイムQ10が必要になります。
この働きがスムーズに行われていれば、作り出されるエネルギー量は増え、体熱も高まっていくわけですが、α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10の、どれもが20歳代をピークに減少し続け、エネルギー賛成も減っていき、当然のように体熱に回るエネルギーも減っていきます。この重要な3成分は三大ヒトケミカルと呼ばれていますが、三大ヒトケミカルは幸いなことに今ではサプリメントとして摂ることができます。α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を、ご覧ください。