健康的でない食事は、睡眠障害を引き起こす可能性が報告されていますが、これまで高齢者を対象とした食事パターンと不眠症に関する研究はほとんどありませんでした。
東北大学大学院歯学研究科のグループは、1時点のデータを用いて自立高齢者を対象とした食事パターンを特定して、食事パターンと不眠症の2つの不眠症状(入眠困難・中途覚醒)との関係を調べました。
約1300人の高齢者を対象とした結果、野菜・大豆製品・果物をよく食べ、米飯をあまり食べない食事パターン1、魚介類・鶏肉・ハム・麺類をよく食べ、大豆製品をあまり食べない食事パターン2、日本酒・焼酎・魚介類をよく飲食し、果物や菓子類をあまり食べない食事パターン3を特定しました。
また、3つの食事パターンそれぞれの遵守スコアを算出して、高中低の3群に分け、各不眠症の指標との関連を調べた結果、食事パターン1の遵守度が高い人に比べて、低い人では入眠困難のリスクが1.3倍高く、食事パターン2の遵守度が高い人に比べて、低い人で不眠症のリスクが0.7倍低いことが明らかになりました。
この研究の対象者は、過去に日本老年学的評価研究機構の2019年の調査に回答した岩沼市在住の74歳以上の高齢者で、同意が得られなかった者、性別と年齢が不適切回答の者、普段の生活で介護・介助の必要がある者、睡眠薬を使用している者は除外されています。
1311名が解析対象者(女性48.5%)で、平均年齢は80.1歳でした。436名(33.3%)が入眠困難、841名(64.1%)が中途覚醒、208名(15.9%)が不眠症を有していました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕