健康情報39 薬用マウスウォッシュを用いたうがいによる糖尿病の病態改善

糖尿病の主要な合併症の1つに歯周病があり、相互に悪影響を及ぼすことが知られています。歯周病は歯周病菌によって引き起こされる疾患であり、これまでのクロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いたうがいを行いことで歯周病菌を減少させることが報告されています。

一方で、2型糖尿病患者がクロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いてうがいを行うことによって、歯周病および糖尿病の症状に、どのような影響を及ぼすかは明らかにされていませんでした。

大阪大学大学院歯学研究科の研究グループは、2型糖尿病患者がクロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いてうがいを行うことで、口腔内に存在する悪性度の高い歯周病菌種が減少するとともに、血糖コントロール状態が改善することを明らかにしました。

歯周病は歯茎に炎症が生じる疾患ですが、歯周病は歯周病菌によって引き起こされることから、歯科医院での歯周病の治療や、歯磨きやうがいなど家庭での口腔ケアによって歯周病菌を減少させることで歯周病を抑制できることが知られています。

研究グループでは、大阪府内の糖尿病クリニックを受診中の2型糖尿病患者173人に対して、半年間は水道水でうがいを、その後の半年間はクロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いてうがいを行ってもらい、歯周病菌種数の変化と血糖値の変化を評価しました。

その結果、クロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いてうがいを行うことで、口腔内に存在する悪性度の高い歯周病菌種が減少するとともに、比較的若い2型糖尿病患者において血糖コントロール状態が改善することが明らかにされています。

これによって、歯周病の改善だけでなく、歯周病によって引き起こされる血糖値上昇の改善につながることが期待されます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕