健康情報41 糖類・アミノ酸・脂肪酸摂取量の正確さ

次世代多目的コホート研究は現地調査(フィールドワーク)を実際に行うチームによる研究で、生活習慣・生活環境と、がんなどの生活習慣が関係する病気との関連を明らかにして、日本人の生活習慣病予防と健康寿命の延伸に役立てるための健康が行われています。

食生活と健康との関連を明らかにする研究では、一人ひとりの食生活を正しく把握することが重要で、次世代多目的コホート研究では習慣的な栄養素や食物の摂取量を把握するため、食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いた調査が実施されています。

FFQでは、過去1年間の食事摂取状況を思い出して答えてもらうため、摂取量を正確に推定できているか(妥当性があるといえるか)を確認することが不可欠となります。

日本食品標準成分表2020が公表され、食品成分表2015より詳細な糖類、アミノ酸、脂肪酸の食品の測定項目数が増えました。詳細版FFQ(172項目)から推定した詳細に分類した糖類、アミノ酸、脂肪酸の摂取量について、実際の食事内容を把握しながら食事摂取量の測定ができる秤量食事記録調査(WFR)を基準とした場合の妥当性を検討しています。

調査対象は秋田県横田市、長野県佐久市・南佐久郡、茨城県筑西市、新潟県村上市・魚沼市に在住する40〜74歳の男女240名で、4季節それぞれ3日間(計12日間)に回答を得ています。

WFRを基準とした場合のFFQによる各栄養素の推定摂取量との差と、相関関係(この値が1日近いほどFFQによる摂取量推計が確からしいことを示す)を用いてFFQによる栄養素摂取量の確らしさが調べられました。

各栄養素について、糖質は31項目、アミノ酸は21項目、脂肪酸は47項目を検討項目として、FFQによるそれぞれの摂取量の妥当性が検討されました。

FFQから推定した摂取量の相関係数(中央値)は、詳細に分類した糖質では男性で0.52、女性で0.42、アミノ酸の項目では男性で0.38、女性で0.37、脂肪酸では男性で0.42、女性で0.42と、多くの栄養素項目で中程度か、それ以上の妥当性が示されました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕