「紅麹の機能性表示食品の健康被害」という書き方を、これまでしてきました。これは小林製薬が販売していて、食品衛生法によって回収命令があった3製品のことを指していたのですが、これからは別の表現が必要となりました。
それは小林製薬が消費者庁に対して、8種類の紅麹を材料とした機能性表示食品の撤回届出をしたからです。また、別の会社の製品(小林製薬の紅麹を材料の一部として使っていた食品)も撤回届出をしています。
これはテレビなどのメディア報道もされたのですが、問題となった紅麹の機能性表示食品を扱っただけでなく、それに続いて機能性表示食品の約20%が撤回届出をしていることも報道されました。
機能性表示食品は2015年に制度が始まってから8000件以上が届出を行っていますが、その報道の仕方を見ると、まるで今回の健康被害問題によって20%が撤回届出をしたかのように受け取られる伝え方でした。
健康食品は次々に新たなものが登場して、それに伴って以前のものが売れなくなり、販売市場から退場していくのは当たり前にあったことです。機能性表示食品も期待するほど販売数が伸びなかったものは撤回届出をして販売しなくなるというのは通常のことであるのに、これはないだろうという伝え方をされていました。
もう一つ驚くような報道があったのは、紅麹の機能性表示食品による腎機能障害について報道した後に、腎臓障害について健康被害を受けた人が何人も登場して、いかに腎臓障害が起こると治療が難しく、生涯にわたって治療をしなければならないのかという報道がされていました。
しかし、後半の報道は、別の薬害による腎臓障害についてであって、機能性表示食品の健康被害は話の導入部のようなもので、無関係なことでした。
間接的に機能性表示食品で問題を起こした企業を殊更に叩くような伝え方は、驚きを通り越して呆れてしまうようなメディアのあり方を疑われるようなものでした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕