忘れる脳力10 偽る脳力から忘れる脳力への踏み出し

「忘れる脳力」の連載コラムは、100日間にわたって書き続けた100本のコラム「偽る脳力」の続きとして始めたものです。

「偽る脳力」は単なるコラムというよりも、自分が経験してきたこと、その経験から考えたことの軌跡を文章にしたもので、わずか10人にだけ100本を見てもらいました。
(実際に、どこまでの本数を見てもらえたのかは確認していませんが)

「偽る脳力」は他人から騙されたことの記録であったり、自らの脳を偽るようなことをして難局を乗り越えてきた話が中心であって、私が他人を偽って騙したということではありません。

記憶する方法としては「書いて覚える」というのが昔からあった方法で、書くほど記憶が深まるというのは教育の世界でも、いまだに伝統的に続けられていることです。それに対して、嫌なことは口から吐き出してしまうことで、脳からも消し去るという方法もあって、書くことによって記憶が薄れることを期待して行われています。

それを私も期待して「偽る脳力」を100本も毎日の修行のように続けてきたのですが、書いていると、その出来事が他の出来事と重なったり、絡み合ってきて、これまで忘れていたようなことを思い出すきっかけになっていました。

そのおかげで、100本も書くことができたのですが、こうなると書くことによって忘れるどころか、書くほどに思い出して、記憶が深まっていくということになって、当初の目的とは違ったことになってしまいました。

それならばと始めたのが、忘れることを前提としたコラムの執筆で、ここまで書いてきた10本で終わるのか、それとも50本、100本と書き続けることになるのかは、自分の「忘れる脳力」のレベルにかかっていることになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕