読み間違いを防いで正しく伝えることはテレビ番組、ラジオ番組だけの話ではなく、書籍や雑誌、WEBサイトでも、あってはならないことです。誤字、脱字は気をつけていても、ある程度は仕方がないものです。原稿を書いている段階で誤字、脱字、変換ミス(パソコン使用)があっても、しっかりと校正をしてから公開すれば正しくなるだろうし、WEBサイトなら文字修正可能なソフトが入れ込んであれば、いつでも簡単に直すことができます。
手書きやワープロ打ちをした原稿を別にパソコンに打ち込んでいた時代には、原稿が存在していたので、それを見ながら校正をすることもできました。間違いの多くは変換ミスであるので、同じ音、つまりひらがなにすると同じ文字になるものを特に注意していれば、間違いの多くは防げたものです。ところが、パソコンで原稿打ちをしたものは、そのデータが原稿となることから間違いが、間違ったまま出てしまうことも少なくありません。
これが文章的におかしく感じるものであれば、他の人の目を通して発見できます。書籍や雑誌、新聞など校正者がチェックをします。テレビならディレクターが書いてプロデューサーがチェックします。WEBサイトだと専門的にチェックする人がいないこともあって、一番間違いが起こりやすいと指摘されています。しかし、実際に間違いを目にする機会が多いのはテレビのテロップ、雑誌記事、WEBサイトです。
なぜ、このようなことを書くのかというと、「・」と「、」が混同しているのが気になるからです。そして、固有名詞の読み間違いが起こっているからです。
例えば、ビタミンとミネラルの話をするときに、別々のものなので「ビタミン、ミネラル」と書くべきです。ところが、「ビタミン・ミネラル」と書かれていることがあります。ビタミンとミネラルは別のものだという知識があれば、これは「、」と書くべきを「・」と書いてしまったことに気がつきます。ところが、その知識がないと「ビタミン・ミネラル」という固有名詞と感じるかもしれません。
かもしれませんと書いたのは、実際には間違う人はいないだろうという思いがあるからですが、見知らぬ言葉が「・」でつなげられていたら、これは一つの固有名詞と思ってしまいます。ジョンとスミスではなく、「ジョン・スミス」という名前だと思って、間違いを記憶することにもなります。「岡山・赤磐」となっていたら、岡山市と赤磐市のことなのか、岡山県の赤磐市のことなのかわからなくなってしまいます。
健康番組のテロップでテーマに沿った健康に役立つ食べ物として「黒糖・くるみ」と出ていました。ナッツ類のくるみ(胡桃)に黒糖をまぶした人気のスイーツがあるので、そのことかと思ってスーパーマーケットを探し歩いたことがありますが、後になって、黒糖とくるみを別々に示したことがわかり、「・」ではなく「、」だとわかったところです。
このような「・」と「、」の書き間違いがあっても、耳で聴くラジオの場合は「・」で書かれていても見えるわけではなく、「・」は続ける感じで読み、「、」は離した感じで読まれるので、意味を違えるようなことはないはずです。テレビでは言葉で表現したことをテロップとしても流すので、間違いにくいとも考えがちですが、テロップが出ていると耳で聞いても頭に入ってきにくいので、「・」と「、」の使い分けは正確にしてほしいものです。