日本メディカルダイエット支援機構では、厚生労働省をはじめとした官公庁、大学などの研究機関の研究成果などの情報を検索して、医師、研究者、団体役員などに健康情報メールとして毎週1回、発信しています。このうち研究成果は、まだ途中の段階のものもあり、ここまで研究が進んでいるということを知ることで、研究が重ならないようにする、さらなる研究の道を目指すといった使い方がされています。研究途中のことなので、同じような研究なのに逆の発表がされることも多々あります。だから、常に最新情報を検索しておかないと、古い情報を正しいことと認識したまま健康情報を発信することにもなりかねません。
そういった点では、いつまでも情報が消えないインターネットは困った存在で、今では間違いとなった情報が、そのまま掲載され続け、それを信じて間違ったことを実践してしまう人や再発進する人もいます。中に初めから間違った情報が掲載されることもあります。“フェイクニュース”とまではいかなくても、もっともらしい研究情報が掲載されて、それを使って誰かに都合のいい情報が出されることも少なくありません。
これはテレビの健康番組でも見られることですが、他局の番組を見ていたディレクターから、紫外線と活性酸素の関係という今では当たり前と思われていることについて質問がありました。紫外線を浴びると体内で活性酸素が発生しますが、活性酸素は目の老化を進めるので日光を浴びすぎないのがよいという情報が紹介されています。その一方で、紫外線を浴びることで体内ではビタミンDが合成されるので日光を浴びるのがよいという情報も紹介されています。どちらも正しくて、問題は、どれくらいの時間、日光に当たるのがよいかということになります。実際には1日に10分、日光を浴びればよいとされています。
その情報を出さないと見ている人を混乱させることになります。もっと混乱するのは情報を発信しているコメンテーターの専門家の存在で、一人の医学者が片方の番組で、例えば日光の有効性を語り、もう一方の番組で日光の有害性を語っていることです。ディレクターからの質問もそこで、「同じ先生が違うことを言っている」という話から始まりました。
テレビ番組はコメントの時間が限られていることからポイントしか伝えられないことがあります。番組側で用意したコメントを語ることしかできないことさえあります。そのために別の番組と逆のことを発言している先生という印象を与えることにもなりかねません。
中には、専門以外のことを、テレビ局側が用意してきたコメントを、間違った伝わり方をする危険性を感じつつもテレビに出たいからと答えてしまう先生もいれば、当方が健康情報メールを送っている先の医師からテレビ局のコメント要請に応えたいので、何を言えばよいか教えてくれ、という先生まで様々です。
医者のコメントだから信じる、というのではなく、まずは発言している先生を信じてよいのかから調べています。調べるのはインターネットという手段があり、過去の発言から信用度がわかるのですが、先に触れたようにインターネット情報が、そもそも正しいのかということもあって、調べるには、それなりの知識と情報網が必要になってくるのは仕方がないことです。