夜バナナダイエットは睡眠にも有効なのか

このコーナーで少し変わった切り口の話を紹介すると、必ずといってよいほどメディア関係者から関連した情報の問い合わせがあります。何もメディア関係者からの問い合わせを期待して掲載しているわけではないのですが、睡眠とアルコールの関係について紹介したら、コーヒーとの関係についての問い合わせが多く来たのですが、その中に夜バナナダイエットと睡眠についてという、あまり想定していなかった問い合わせがありました。睡眠について検索して、メラトニンの関連性が出てきて、メラトニンはバナナにも多く含まれているので、夜にバナナを食べるのは睡眠にも有効ではないのかという考えに行き着いたようです。
まず、夜バナナダイエットについて簡単に紹介しておくと、先に朝バナナダイエットが流行して、それを受ける形でヒットしたダイエット法です。朝バナナダイエットは朝食をバナナに置き換えるか、バナナをメインにして他の食事は少食にします。それに対して夜バナナダイエットは夕食前にバナナ2本を食べ、水も飲んで、その後の食事は普通に食べてもよいというものです。これでは食べすぎにならないか、糖質の摂取量が増えるので太るのではということが言われましたが、胃が膨れて、必要以上のものを食べなくなる、食後の間食がなくなる、さらには腸の働きがよくなってダイエット効果が高いということで今でも人気の方法です。何しろ食べるものを禁止するのではなく、他に食べてもよいというので、効果に間違いがなければ人気が出るのは当然のことです。
睡眠にはメラトニンというホルモンが重要で、メラトニンには睡眠を誘発する作用があります。アメリカなどではメラトニンは町の薬局で簡単に買えるサプリメント並みの医薬品となっています。メラトニンは神経伝達物質のセロトニンから作られます。セロトニンの原料はアミノ酸の一種のトリプトファンです。トリプトファンは大豆・大豆加工食品、乳製品、肉類、魚類、バナナなどに多く含まれています。トリプトファンは必須アミノ酸で、体内では合成されず、食事から摂らなければならないアミノ酸です。しかし、通常に食事をしていれば摂取できるはずです。
セトロニンは太陽光を浴びることによって生成されることから、朝日を浴びること、外出を増やすことが必要と言われています。セトロニンから作られたメラトニンが脳に届くまでには6時間ほどかかります。だから、トリプトファンが含まれる食品は寝る前ではなく、朝に食べたほうがよいことになります。しっかりと朝ごはんを食べるのがよいことだとはわかっていても、作っている時間がない、食べる時間も短いからと簡単に済ます人も多く、朝食抜き、朝食は飲み物だけ、飲み物とサプリメントだけという人もいます。そこで簡単に食べられるバナナは格好の食品ということになります。
睡眠のことを大事にしてバナナを食べるのなら、夜バナナではなく朝バナナということになります。もともとバナナを朝食とともに、もしくは朝食代わりに食べている人は多いので、取り入れやすい方法と言えます。