デザートは太る原因になるので、食べたいけれど控えるという人は少なくありません。普通に食事をして、充分にエネルギー量が摂れていても、デザートは別腹だといってプラスして食べれば、その分だけ余計になります。だから、ダイエットの大敵と考えられているものの、むしろデザートで食べすぎを抑えるのだという考え方もあります。デザートによって血糖値を大きく上昇させることによって、食べすぎを抑えようということです。
別腹は、これ以上は食べられないという満腹状態でも、他の食べ物が食べられる状態をいいます。甘いものや好きな食べ物が別腹となります。甘いものなどを見るだけでも胃が動き出して、胃に空間ができることが確認されています。ここに余計な食べ物が入るわけです。
大学生のラグビー選手の協力で、デザートの効果を確かめる実験をしたことがあります。同じような体格の選手を2チームに分けてフランス料理のフルコースを食べてもらい、どこまで食べられるかを調べました。1つのチームにはデザートに通常と同じケーキを出し、もう一方のチームにはケーキと同じエネルギー量のチーズを出しました。チーズのチームはフルコースを2セット食べることができたのに対して、ケーキのチームは2セット目の途中で食べられなくなりました。これはケーキによって血糖値が上昇して、脳の満腹中枢が働いたために起こったことです。
ケーキに限らず、砂糖が使われたデザートは満腹中枢が働いて食欲がなくなるので、食事の量を減らしてもデザートを食べることで満足して、結果として食べすぎが抑えられることになるということです。
ちなみに満腹中枢は、脳の視床下部にある満腹を感じて食欲を抑える働きがある中枢です。視床下部には食欲を高める摂食中枢があり、バランスを取っています。血液中のブドウ糖の量が増えると満腹中枢が働き、ブドウ糖の量が減ると摂食中枢が働きます。