065 油脂はおいしく感じさせる調味料

油脂は植物油と動物性食品の脂肪の両方を指す言葉です。脂肪はエネルギー源としての食べ物であり、植物油は調理に使います。それもあって調味料という感覚は日本人には薄いものの、中華料理では油は調味料です。麻婆豆腐に加えるラー油は最後の味付けに使います。西洋料理でもオリーブ油などは、かけて食べる調味油となっています。
調味料ということになると、一般に言われる五味(甘味、塩味、酸味、辛味、旨味)のほかに脂味も加えられることがあります。
脂味が世界的に発表されたのは2015年のアメリカの研究成果でした。味覚には脂肪を感じる脂味があり、第6の味覚と呼ばれています。脂肪を加えた料理と脂肪がない料理を区別することができることから発見されました。旨味と同様に、他の味覚と組み合わされて感じます。
子供のころから脂肪の多い食事をしていると脂味の感覚が強くなり、より脂肪をおいしく感じるようになります。脂肪をおいしく感じることがないはずの子供が「トロがうまい」などと言う理由は脂味にあったということです。これが脂肪を求めて、太る人を増やす要因の一つとなっています。