ダイエットのために食べるべき肉の種類

肉を食べてダイエットをするというテレビ番組の話を受けて、他局のディレクターから「どんな肉を食べればダイエットに成功するのか」という質問に続いて、「リバウンドするのは身長も関係あるのか」という質問もありました。番組では肉には脂肪も含まれるものの、良質なたんぱく質のほうが重要という話をして、画面に映っていた肉は脂肪が少ない赤身肉でした。
赤身肉なら何でもよいということではなくて、牛肉の場合には融点が高くて血管疾患のリスクを高める飽和脂肪酸が多くなっています。それに対して豚肉には飽和脂肪酸は含まれるものの、不飽和脂肪酸の割合が高くなっています。不飽和脂肪酸は融点が低くて血管疾患のリスクが高まりにくいことが知られています。
厚生省の「日本人の食事摂取基準」(2015年版)では脂質の摂取割合は20〜30%とされています。以前は20〜25%でしたが、5%も多く脂質を摂って良いということではありません。ダイエットのテレビ番組では、20〜30%を示して肉を多く食べることによって脂肪の摂取量が増えても問題がない、というような発言をしていましたが、これは間違いです。日本人の食事摂取基準では脂肪の摂取量のうち飽和脂肪酸は7%以下にすることが示されています。つまり、不飽和脂肪酸を増やして、飽和脂肪酸を減らすように言っているわけです。たんぱく質の摂取が重要というなら、脂肪が少ない、それも飽和脂肪酸が少ない豚肉、鶏肉がよいことがわかります。
次に身長とダイエットの話ですが、これについては身長と体重から計算するBMIを使って考えるようにしています。体重(kg)を身長(m)で2回割って求められるのがBMI(body mass index)で、体格指数とも呼ばれます。前回の話で例にあげた女性モノマネタレントの身長はプロフィールでは156cmなので、ダイエット前の81kgでは約33.3です。BMIは18.5〜25未満が普通体重なので、これは立派な肥満となります。最少で64kgになったときのBMIは約26.3で、これでも実は軽度の肥満だったのです。ちなみにリバウンドした今は77kgなので約31.6です。
身長があるほうが内臓脂肪が蓄積される部分が多いので、減りにくい皮下脂肪に回りにくくなっています。代謝が高まって減る脂肪は内臓脂肪が先なので、身長が高いほうが運動によってやせやすいということです。身長が低めの人は、内臓脂肪の蓄積量が少なくて、皮下脂肪が蓄積されやすいので、その分だけ頑張らないといけないということです。