医薬品の量は体重によって基本的には定められていますが、男女差によっても量は調整されます。女性は男性に比べて身体が小さいということもあるのですが、肝臓は身体の大きさに比例するので、女性のほうが肝臓は小さく、その分だけ分解能力も低いことがあげられています。分解能力は年齢によっても変化していくもので、高齢者の場合には使用できる薬の種類や量、使用期間が定められている場合もあります。この定められているというのは、成人よりも少なくするということです。
このことはテレビ番組でも、よく取り上げられることですが、その番組を見ていて気になったのは、薬の量に注意しなければならないのは女性の高齢者だけなのかということでした。番組で出されたテロップに「女性・高齢者」と書かれていました。この表記を、そのまま読むと“女性の高齢者”ということになります。女性の高齢者が特に注意をしなければならないということは、男性の高齢者は注意をしなくてもよいのかということなのかという疑問が湧き上がってきます。
この話は言いがかりのようなもので、実際には“女性と高齢者”を意味した表示だということは理解できます。しかし、「・」は一つのもの、同じものを示すときに使われる記号で、&(アンド)の意味で使うときには「女性、高齢者」でなければならないわけです。その番組だけが誤った使い方をしているのかというと、どうもテレビ業界に共通した使い方のようで、他局の番組のテロップを見ていても、「、」となるところが「・」となっているものを頻繁に目にします。
わかりやすい例をあげると、「岡山・倉敷」と出ていた場合には“岡山県倉敷市”のことになるのですが、「、」とすべきところを「・」とした場合には“岡山市と倉敷市”を意味することになります。これと同じ表示がされた番組を見ていて、てっきり倉敷市だけの店舗のことかと思って、あとで調べてみたら岡山市と倉敷市に店舗があることがわかり、「岡山、倉敷」とすべき表示が「岡山・倉敷」とされていたということだったのです。

