リバウンドは元に戻るわけではないから恐ろしい

リバウンドの怖さを感じさせるために、「かつてダイエットに挑戦した女性タレントの現在の姿を示せばいい」と語っているジャーナリストがいます。ジャーナリストといっても政治・経済の分野ではなくて生活全般の記事を雑誌やWEBサイトに書いている方なのですが、ネットで過去にダイエットに成功した(と思われている?)女性タレント(歌手や有名人も含む)をリスト化して、現在の姿もネット検索すると、「○○太った」というキーワードが先に出てきたりもします。「以前よりも太ったのではないか」「元に戻ったくらいだけど不健康そうに見える」とのコメントが頻繁に出てきます。
まずは「以前よりも太った」ということについてですが、“リバウンド”という言葉は「ダイエットをする前の状態に戻ったことを指す」と思われがちです。しかし、実際には、そんな単純なことではありません。体重が元に戻ったとしても、身体の状態も元に戻っているわけではありません。
筋肉運動を着実に実践して、必要な栄養摂取をして体脂肪が減ったとすると、筋肉の量は減らさずに体脂肪を減らすことができます。しかし、運動をしないで食事を減らすだけで体重が減ったとすると、運動をしなかったことによる筋肉量の減少が起こります。脂肪の消費は全身の細胞で行われているのですが、中でも消費が多いのは筋肉です。生命維持の基礎代謝に使われるエネルギー量のうち35〜38%は筋肉が消費していると言われます。この差は筋肉量の違いからくることです。
食事を減らすだけで運動をしないでダイエットをすると、筋肉の量が減ることになり、全身のエネルギー代謝が低下することで、運動量が変わらないと太りやすく、やせにくい身体になってしまいます。以前よりもやせにくい状態になってしまうのがリバウンドで、リバウンドを起こすと、前よりも厳しいダイエットに取り組まないことには、希望するようなスリム状態(?)にはなれないということです。つまり、リバウンドは、ちょっとことをしただけでも太ってしまうという、恐ろしいことになってしまうのです。