新型コロナウイルスの新規感染者の数は正確なのか

新型コロナウイルスに感染した人というのは正確な表現ではなくて、感染確認された人というのが正しいはずです。PCR検査をする人が増えるほど、一定の確率で発見されることから、検査数が少なくなれば、それだけ感染確認者も減ります。一時期は濃厚接触者をすべて検査していましたが、感染確認者が急増したときに「火事が起こっているときに火の粉が来るのを防ごうとしているようなもの」という理屈で、濃厚接触者の検査をしなくなったので、感染確認者が少なくなるのは当然のことといえます。
民間の安価なPCR検査を受けて、それで陽性反応が出た場合には医療機関での受診がすすめられます。それに全員が従ってくれればよいのですが、念のための検査という感じで受けた人の中には、陽性と指摘されても医療機関に行かない人もいます。医療機関で陽性の確認がされなければ保健所に報告されることもなく、感染確認者としてカウントされることもありません。
医療機関で検査結果が出た人なら、正確に報告されるのかというと、そうではないということがわかっています。唾液を採取して郵送や配送で医療機関に送って検査をする場合には、陽性が確認されたら保健所に報告されます。しかし、その報告は医療機関がある保健所にされるのであって、唾液採取をした人が住んでいる保健所とは限りません。例えば、東京に住んでいる人が埼玉県の医療機関に唾液サンプルを送って検査をした場合に陽性が確認されたら、埼玉県の感染確認者となります。
PCR検査を拡充させて感染防止をしたくても、そのことによって急に感染確認者が増えたら困るということで検査拡充が進まないということもありました。現状を逆手に取るならば、地元では採取をするだけで、県境を超えたところにある医療機関で検査をすれば、もしも大量に感染確認されたとしても、地元の自治体の感染確認者としてカウントされることはありません。そんな手段を使わなくても、安心して検査をする人が増えて、感染拡大が防止されればよいのですが、なかなか検査数が増えないのが実情です。