サプリメントの3タイプ
サプリメントは、機能性によって大きく3タイプに分けられます。これは保健機能制度による分類ではなく、身体に与える影響によって分類されています。
一つ目は、体内で作ることができず、生きていくために食品として摂取しなければならない栄養素で、糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素のほかにビタミン、ミネラル、食物繊維があげられます。一般に不足する栄養素を補うために摂るもので、一般にサプリメントというと、これを指すことが多いようです。食事で栄養素が充分に摂取できていれば必要がない、と言われることもあります。
二つ目は、身体の機能を維持するために体内で作られている成分で、ヒトケミカルとも呼ばれます。体内で作られるならサプリメントとして摂る必要はないように感じるかもしれませんが、体内で作られる量は加齢につれて減少していきます。減少のカーブは成分の種類によって異なるものの、一般には20代がピークになっています。そのため、若いときと同様の機能を保つためには、年齢の変化に合わせて補う必要があります。その代表的なものに糖質の代謝に必要なα‐リポ酸、コエンザイムQ10、脂質の代謝に必要なL‐カルニチンのほかシトルリン、オルニチンなどがあります。
三つ目は、フィトケミカルです。これは通常の身体機能の維持には必要ないものの健康によい影響を与えるとされる植物に存在する化学物質を指しています。野菜や果物、豆、種子、きのこなどに含まれている色素や香り、アクなどの成分で、ポリフェノール(アントシアニンやイソフラボンなど)、カロテノイド(β‐カロテン、リコピンなど)、多糖類(β‐グルカンなど)、イオウ化合物(アリシンなど)といった種類があります。
栄養素を充分に補給しても、希望する目的に合ったフィトケミカルを摂っても、本来の代謝機能が充分に働いて、エネルギー源の糖質と脂質を生きていくためのエネルギーが充分に作り出されなければ、せっかくの補充した成分を活かすことができなくなります。そのため、サプリメント摂取の基本となるのは、減少した機能維持成分であるヒトケミカルを補給して、細胞レベルから健康を保持することです。