◎ピロリ菌を除去する精油成分
ウコンには、どの種類にも精油成分が含まれています。この精油成分には殺菌作用があり、黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌、コレラ菌などの殺菌に有効であることが報告されています。その殺菌作用の中でも特に注目されているのは、胃潰瘍の原因であるピロリ菌の除去で、この効果も多くの実験で確かめられています。
ピロリ菌は、正式名をヘリコバクター・ピロリといい、ほとんどの菌が胃の強酸性の環境では生き残れないのに対して、ピロリ菌だけはアルカリ成分を分泌することで胃粘膜の中に入り込み、胃の中でも生き残れる特殊な菌です。アルカリ成分は胃粘膜に穴を開けるために、粘膜が傷つけられ、これが胃潰瘍の原因となっています。
ピロリ菌を除去するための治療には複数の抗生物質が使われますが、抗生物質によって完全に除去されなかった場合にはピロリ菌が耐性をもって、抗生物質が効かなくなるおそれがあります。こうなると、抗生物質を用いて治療することができなくなってしまいます。ところが、紫ウコンを用いた実験では、精油成分によってピロリ菌が70%ほども抑えられるという結果が出ています。
クルクミンの含有量なら秋ウコン、春ウコン、紫ウコンの順番となりますが、精油成分の含有量では紫ウコン、春ウコン、秋ウコンと逆の順番となります。肝臓への効果や抗酸化力を求めるなら秋ウコン、胃への効果を求めるなら紫ウコン、両方の効果を求めるなら春ウコンが優位だということになります。自分が、どのような結果を求めるのかによって、商品に使われている素材を選ぶようにしたいものです。