科学的な研究に裏付けられたメディカルダイエットなら、同じ食事や運動をすれば同じような結果が得られると思われがちですが、そのようなことにはならないのは医科学の世界では常識となっています。その理由として、体質や個人差があげられることが多く、日本メディカルダイエット支援機構では日本人と欧米人、日本人と東洋人の体質の違い、性差(男女差)、年齢差を研究するとともに、肥満に関する遺伝子タイプの研究も実施して、栄養と運動による効果的なメディカルダイエットについても研究を進めてきました。
これらの体質を考慮して分類した上に、充分な栄養を与え、運動効果が得られる一定レベルの運動を実施しても、効果が上がる人と上がらない人が存在しています。消化・吸収・循環・代謝・排泄にも差があり、医薬品の効き方、副作用の出方、筋肉の付き方、持久力の差、解毒力、抗酸化力にも大きな差が見られます。
その差は、年齢差によって大きくなることから加齢によって蓄積量が減少する体内の成分に注目して研究を始めた結果、たどり着いたのが今ではダイエットに効果的であるサプリメント成分としても知られるα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10でした。
これらの成分は細胞内のミトコンドリアでのエネルギー産生を促進して全身の約60兆個の細胞を活性化させる化学物質で、体内で生産されて体内に存在しているものの20代をピークに年齢が進むにつれて減少していきます。どれも、もともと医薬品として開発されたものであり、後に食品素材としての使用が許可された機能性が確認された成分です。(2001年:コエンザイムQ10、2002年:L‐カルニチン、2004年:α‐リポ酸)
メディカルダイエットを効果的に進めるには、全身の細胞が正常に働く必要があり、そのために欠かせないα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10の量が不足していればエネルギー代謝が充分に行われなくなって太りやすくなると同時に、エネルギー不足から各細胞の機能向上、細胞分裂に影響が現れることとなります。これがダイエット効果の差を生み出す原因であるとともに、健康や美容などによいとして取り組んだことの成果の差にもなっていたことがわかりました。
栄養素のうちエネルギー源となるのは糖質、脂質、たんぱく質だけであり、三大栄養素と呼ばれています。このエネルギー源をエネルギーに変換するのは細胞内のミトコンドリアで、それぞれの細胞内に100~3000個が存在しています。ミトコンドリアの重量は約6kgといわれ、いかにエネルギーを作り出すことが重要であるかがわかります。ミトコンドリア内でエネルギーに変換するためにはビタミン、ミネラルに加えて、三大ヒトケミカル(α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10)があげられます。
α‐リポ酸は、動物の肝臓・腎臓、ホウレン草、ニンジン、トマトなどに多く含まれています。L‐カルニチンは、羊肉(ラム肉、マトン)、豚肉などに多く含まれています。また、コエンザイムQ10は、鰯、鯖、牛肉、ピーナッツ、ブロッコリーなどに多く含まれています。これらの食品に含まれているものの食事だけではエネルギー代謝に必要な量は充分に補うことができないもので、加齢によって減少し、不足している状態ではサプリメントとして補うべきものといえます。
三大ヒトケミカルが充分に補充され、細胞の機能が充分に高まることによって、細胞の持つ合成や分解の能力のほかに、分裂能力も抗酸化機能も高めることができます。それによって、同じ種類のサプリメントを同じだけとっても同じ効果が得られなかった人のマイナス面を受けることができます。
これによって、栄養素や他のサプリメントの機能が充分に引き出されるようになるだけに、三大ヒトケミカルは健康の維持・増進、美容にとっても必要な成分であるため、資格認定教育、検定では基本中の基本として教育の中心に据えています。