新型コロナウイルスの変異は、どこで起こっているのかがわかれば、収束してきた段階で、どこに行ってはいけないのか、誰と会ってはいけないのか、どんなことをしても許されるのかが見えてきます。“どんなこと”というのは遊びのことではなくて、感染拡大によって制限されたためにできなかった健康のためによいことを言っています。感染拡大で歩くことも制限される、健康について学びたくても多くの人がいるところには行ってはいけないという中にあっては、許される範囲が拡がることは、そのまま免疫を高めること、感染しにくい体質を作ることにつながります。
ウイルスは変異が当たり前で、対応策(治療薬、ワクチン)が進むほど、生き残ろうとして変異をします。ウイルスは生命体の中でしか生き延びることはできません。これは新型コロナウイルスでも同じことで、変異をしたウイルスでも同じです。変異をすることで人間の体から外に出ても生き残れるようになるということはありません。ここが、どこでも生き残れる細菌とは大きく違うところです。
人から人へと感染していくウイルスが変異をするということは、変異している場所は感染した人の体の中です。治療薬を用いて完全にウイルスが死滅してくれれば、もう変異をすることはないわけですが、死滅せずに残ったものがあると、ほとんどを死滅させるような強力な対応策に対して勝つことができる変異をしていきます。ということは、変異をするほど感染力が強くなっていくということです。そして、感染させる力だけでなく、感染してからの重症化のスピードも早まっていきます。
ワクチンを2回接種したからと、それ以降は検査をしていないと、症状が出ないだけで、実は前に感染したウイルスとは異なる変異したウイルスに感染していて、それを、まるで鬼ごっこの“鬼”のように他の人に広げていくということです。自分の身を守るための“命の選択”をするには、ワクチンを接種した人なら安心ということではなくて、ワクチンを接種して外出の機会が前のように戻った人、むしろ安心して外出が増えた人ということになりそうです。