ポストコロナ「人の不利見て我が不利直せ」2

「人の振り見て我が振り直せ」をもじった「人の不利見て我が不利直せ」は、ただ“振り”が“振り”に変わっただけで、他人の行動のマイナス点を知って、それと同じことをしないようにするように注意するという意味なら、それほど大きな意味をもっていないように思えるかもしれません。
自分のやることは、本人には真偽のほどが見えにくくて、周囲の人から指摘されて初めて、実際のところに気づき、本来なら何をすべきであったかが見えてくるものです。自分可愛さというのは誰にも多少の差はあっても起こり得るもので、大事なことに気づかないままに突き進んでしまい、気づいたときには手遅れということも少なくありません。
他人を観察していて、これはマイナス面だということは案外と見えてきやすいものです。ところが、自分のこととなると、マイナス面は見えにくく、中でも成功体験を重ねてきた人ほど自分のマイナスは見えにくい、マイナス面が見えたとしても、それを認めたがらないということになります。そのために、不利ではないかということに薄々気づいていても、そこでストップができずに、そのまま突っ走ってしまうということにもなりかねません。
失敗例ですが、これは私どもが失敗したということではなくて、他人の失敗に巻き込まれて、いやいやながら引き込まれてしまったという反省例です。それは目先の利益を得ようとして、無理をした人のことで、東京を基盤としていたときにテレビ番組のタイアップで、「売り逃げ」と言われても仕方がないような食品のPRでした。
私たちが参加した納豆のPRでは全国納豆協同組合連合会の依頼で、テレビを初めとしたメディア対策で流通量を増やし、それに続いて日本豆腐協会のPRでも同じ手法で成功しました、なんといっても同じ大豆が原料なので、栄養面の効能効果をアピールするのは簡単でした。これは同じ大豆ということがキーポイントだったのに、一緒に動いてきた営業マンが加工食品であれば同じ成果が得られるという売り込みをテレビ局にも流通にもしました。案の定、同じというわけではいかずに、有利になると思っていた営業が不利になってしまい、その仕事の支援をしていた私たちも痛い思いをすることになりました。