普段はタバコを吸わないようにしていても、お酒を飲んでいるときには、ついついタバコを吸ってしまうという人も少なくありません。飲酒と喫煙が重なると、両方のリスクがプラスされるのは簡単に想像がつくところですが、さらに困ったことが体の中では起こっています。
タバコの煙は呼吸とともに肺に入るだけでなく、胃にも入っていきます。タバコに含まれる有害物質は胃の中では通常では胃壁に付着します。胃壁に付着した有害物質は徐々に離れて、小腸から吸収される水分などともに少しずつ血液中に入っていきます。少しずつ入ってくるなら肝臓で徐々に分解することができるうえに、身体の中の免疫細胞が処理をしていってくれます。
ところが、飲酒をしているときに喫煙すると、タバコに含まれる有害物質はアルコールに溶けて、濃い状態のまま小腸から吸収されるようになります。また、アルコールは胃からも吸収されるので、血液中の有害物質の濃度は大きく高まり、さまざまな影響を早く体に与えるようになっていきます。
その影響の一つに、代謝が低下することによって太りやすく、やせにくくなることがあります。それだけに、飲酒時の喫煙はもちろんのこと、他人が吸ったタバコの煙を吸い込んでしまう受動喫煙の可能性があるところでの飲酒は、できるだけ避けるようにしたいものです。