リバウンドの本当の意味

ダイエットを扱った番組を見たメディア関係者から、「糖質制限をして痩せるとリバウンドするというのは本当ですか」という質問がありました。この答えをする前に、リバウンドとは何を指すのかという話から始めますが、リバウンドはダイエットをした後に体重が増えて元に戻ったことを一般には指しています。しかし、実際にはダイエットによって筋肉が減り、糖(ブドウ糖)と脂肪(脂肪酸)を燃焼させる筋肉のミトコンドリアが減ることによって代謝が下がり、そして前よりも太りやすく、痩せにくくなることを指しています。
テレビ番組では、糖質制限によってウエスト周りの脂肪が減少していくところを強調していましたが、さすがにダイエットのネタを多く扱っているディレクターは違っていて、筋肉量の変化に注目して、脂肪と同時に筋肉も落ちていること、運動をしないで食べるものだけのダイエットはリバウンドの原因になる、と気づいていました。
糖質制限の食事を続けていると、代謝のために必要となるブドウ糖が不足します。ブドウ糖なしにはミトコンドリアの中で代謝を行って、生命活動のためのエネルギーを作り出すことはできません。そこで、ブドウ糖が不足すると中性脂肪を分解してエネルギーを作り出すようになり、それでダイエットができるわけですが、それと同時にブドウ糖を確保するために筋肉の中に蓄えられているグリコーゲンを分解して、ブドウ糖を作ります。糖質が不足した食事が続くと筋肉が減り、代謝が低下して太りやすく、痩せにくくなるのは当然の体の仕組みなのです。