京都の言い回しとして、あまりに有名になっているのは「元気なお子さんやね」という言葉です。同じ言葉であっても、口調や語気などによって意味が異なることはあるのですが、この「元気なお子さんやね」だけは、どんなイントネーションであっても意味合いは同じです。
少なくとも元気であることを褒めているわけではなくて、元気ということは何を言われているのかを察する気持ち(配慮、能力)がないと、なかなか京都の方と親しく付き合っていくのは難しいだろうなと感じます。
大人が向かい合って話をしていて、そこに近所の子ども、他人の子どもの声が聞こえてきても、それについて「元気なお子さんやね」とは言いません。
ところが、連れてきた子どもが騒いでいたり、話し声が大きいといったときに「元気なお子さんやね」と言われたら、これは「うるさい」「静かにさせろ」という意味です。すぐに対応をしないと、それ以降の会話が成立しない、関係性も崩れるということにもなりかねません。
これは子どもに限ったことではなくて、一緒にきた大人がいるときに「元気な人ですね」と言われたら、これも「やかましい」という意味になります。
「元気な人ですねぇ」と語尾を強調されたら、これは「やかましい」を通り越して、「うっとうしい」という意味になり、注意の対象となった人を退席させるようにしないと、対話相手が退席することにもなります。
実際に京都で、そのようなシーンを体験した人がいて、「なんで急に出ていったのだろう」と疑問に思ったことを話してくれました。そのときに確認したのが「元気な人ですねぇ」と言われなかったか、ということでした。
まさに「元気な人ですねぇ」と言われたとのことで、その理由を説明させてもらいました。元気な人の対象者は、私から見ても“くどい”話し方をする人で、相手によって連れていく人を代えるように伝えました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕