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過剰なダイエットは、女性の場合は生理がなくなり、男性の場合は精力が低下すると同時に髪の毛が生えにくくなると言われています。健康維持に必要なエネルギー源が減ってきたときには、生命維持に必要がないものからストップさせようとします。

飢餓状態にあるときに生殖は必要がないことであり、毛髪も生命維持ということでは二の次となってしまうということです。

今どき、飢餓状態ということはないと思われがちですが、健康維持のためにと始める人が多い糖質制限は、正しい方法で実施しないと身体的には飢餓状態と同じことになって、これが毛髪に大きな影響を与えてしまいます。

糖質制限は、全体の食べる量を減らさずに糖質を減らすだけでダイエットもできれば、糖尿病をはじめとした生活習慣病の予防と改善にもつながるということで、簡単に始められ、比較的簡単に結果が出る健康法として期待されているのですが、毛髪に関しては、そんなに簡単なものではないということを知っておいてほしいことです。

糖質制限については多くの医師や管理栄養士などが書籍やネットで発言していますが、どれくらいの量を減らせばよいのか、どれくらい食べればよいのかという具体的な数値となると、なかなか示されていません。

ご飯は1日に1回だけ、とか、ご飯を半分に減らすといった曖昧なまま続けていたら、抜け毛を増やし、毛髪の再生が遅れることにもなってしまいます。

糖質制限が薄毛につながるメカニズムですが、毛髪の成長に欠かせないタンパク質が不足するからです。糖質というと一般には、ご飯やイモ類などに含まれるデンプンを指していますが、デンプンは消化酵素によって分解されるとブドウ糖になります。糖質制限をすると、血液中のブドウ糖が減ります。

ブドウ糖は、全身の細胞ですぐにエネルギー源として使われるものですが、エネルギー消費される分よりも多く摂った場合には、肝臓の中でブドウ糖は脂肪酸に合成されます。脂肪酸3個が結びついたものが中性脂肪で、中性脂肪は脂肪細胞の中に蓄積されていきます。

血液中のブドウ糖が減ると、エネルギー不足を解消するために脂肪細胞の中の中性脂肪が分解されて、脂肪酸として血液中に放出されます。これが糖質制限によってダイエットができる理由です。

さらにエネルギーが不足した状態になると、体内のタンパク質が分解されてエネルギー源として使われるようになります。毛髪の80%以上はケラチンと呼ばれるタンパク質であるので、全身のタンパク質不足は毛髪の栄養不足となります。

糖質制限では、糖質のエネルギーが不足する分だけタンパク質が含まれる肉や魚などを食べることがすすめられるのは、タンパク質不足を起こさないようにするためです。

健康維持のための糖質の摂取量については、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」には全摂取エネルギー量の50〜65%と示されています。少なくとも1日の摂取エネルギー量の半分は糖質から摂るようにということです。

三大エネルギー源のエネルギー量を1gあたりで見てみると、糖質とたんぱく質は約4kcal、脂質は約9kcalとなっています。30代、40代の男性の1日の消費エネルギー量は、体重や活動量によって異なるものの、標準的には2700kcalとなっています。

その半分なら1350kcalを糖質から摂ることになるので、ご飯にしたら約337gとなります。茶碗1杯分のご飯は約150gなので、1日に2杯と少しの分量ということになります。

全身をコントロールしている脳に必要なブドウ糖の量は1日に150gとされていて、これを下回ると脳だけでなく、全身に影響が出てきます。三大エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)のうち脳で使われるのは糖質のブドウ糖だけです。

脳が正常に働かなくなると、これは生命維持の危機的状態であるので、これが毛髪の発育に影響を与えないギリギリの量ということになります。
糖質の制限のしすぎが毛髪に悪影響を与えるということがわかると、糖質を積極的に摂ろうと考える人がいるかもしれませんが、糖質の過剰摂取はタンパク質を劣化させることになります。

血液中のブドウ糖が増えると、血液中のタンパク質が糖化します。ブドウ糖が減ってくれば元の状態に戻るのですが、ブドウ糖が多すぎる状態が続くとAGE(終末糖化産物)が作られます。AGE(Advanced Glycation End Products)はタンパク質とブドウ糖が結合して発生した老化を進める原因物質で、皮膚の場合にはシミやシワの原因になり、血管の場合には動脈硬化の原因となります。

頭皮にAGEが蓄積した場合には、頭皮のタンパク質が劣化して、血管が硬くなって血流も低下して、頭皮の健康状態も保たれにくくなります。毛髪を成長させる毛根の毛乳頭細胞にAGEが蓄積すると、毛根に炎症が起こり、毛髪の成長サイクルが遅くなって、抜け毛に対して発毛が間に合わなくなってしまいます。

健康維持に必要な糖質制限で止めておいて、血糖値(血液中のブドウ糖の量)が上昇しすぎないようにすることが毛髪の健康には必要だということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

ストレスは毛髪に影響を与えることは以前から言われていて、その理由も数多く検討が進められてきましたが、新たな理由としてあげられているのはストレスホルモンとして知られるコルチゾールの存在です。

コルチゾールは副腎皮質から分泌されているステロイドホルモンで、ストレスがかかると10〜20分で2〜3倍にも増加することから、ストレスのバイオマーカー(目安となる生理学的指標)とされています。

コルチゾールは肝臓での糖新生、筋肉でのタンパク質合成、脂肪細胞の中での脂肪の分解、炎症や免疫の抑制など健康維持のための重要なホルモンとなっています。

また、コルチゾールは免疫系、中枢神経系、代謝系などにさまざまな生理学的な作用があり、長期間にわたって過剰に分泌されると脳の海馬を萎縮させたり、うつ症状を悪化させることが報告されています。海馬は、大脳辺縁系にあって、記憶や空間学習能力に関わる器官となっています。

ストレスによって生じる身体的変化、精神的変化はコルチゾールによって引き起こされていると考えられているのです。

毛髪とコルチゾールとの関係ですが、血液中のコルチゾールは数か月をかけて毛髪に蓄積されていきます。毛髪の80%ほどはタンパク質で構成されていますが、その約70%がケラチンタンパク質、約10%が非ケラチンタンパク質が占めています。

ケラチンが生成されるときにコルチゾールが取り込まれていきます。毛髪は1か月で約1cm伸びるので、根元から3cmの部分を切り取って測定すると、ここ3か月のコルチゾールの量を測定することができます。

精神的、肉体的なストレスが強いほどコルチゾールが多くなるわけですが、薄毛の人で毛髪に含まれるコルチゾールを測定すると、一般の人に比べて多いことが確認されていて、その量は失業した人に匹敵するといわれています。

コルチゾールは毛髪の脱色やカラーリングによって量が減ることがあり、洗髪のしすぎでケラチンが損傷してコルチゾールが抜けて、うまく評価できないこともあります。

コルチゾールは糖新生のためのホルモンであると先に触れましたが、糖新生というのは脂肪やタンパク質を肝臓の中で糖に変換させる働きのことで、すぐにエネルギーとなる糖(ブドウ糖)を増やして積極的に活動できるようにする仕組みとなっています。

コルチゾールが多く分泌して糖新生が進むと、血液中のタンパク質の量が減り、毛髪の育成のために必要なタンパク質が減ることも、ストレスが薄毛に影響をする理由の一つだと考えられているのです。

30〜40代の男性の毛髪の状態とコルチゾールの関係について調べた研究では、コルチゾール濃度が高い人ほど薄毛の傾向があり、中でも後頭部の毛髪の直径が細くなっていることが確かめられています。

コルチゾール濃度が高いほど直径は細くなり、濃度が3倍になると毛髪は6割ほどの細さになっていました。

さらに、コルチゾール濃度が高いほど頭皮の毛穴から生える毛髪の本数が少なくなっていました。1つの毛穴から生える本数は通常は2〜3本となっていますが、年齢に比例して減っていくことから、コルチゾール濃度が高くなる過剰なストレスは年齢に比べて薄毛になりやすいことが指摘されています。

ストレスを感じると頭が硬くなると言われることがありますが、硬くなるのは頭皮で、頭皮が硬くなると血流が低下して、薄毛になりやすいことは以前から言われていました。

頭皮が硬くなると1つの毛穴から生える本数が減ることも指摘されていることから、ストレスが生じてコルチゾールが増えることは血管を萎縮させて、血流が低下することから、毛根細胞の活性が低下して、これが薄毛に影響を与えているようです。

ストレスを解消するために運動がすすめられることがあります。運動は血流を促進して、代謝が進むことから毛髪にはよさそうですが、それを期待して疲労が蓄積するほどの運動をすると逆効果にもなりかねません。

マラソンなどの強度の持久力運動ではコルチゾールの分泌量が増え、また筋肉に強い負荷をかけるウエイトトレーニングによってもコルチゾールの分泌量は増えていきます。毛髪の育成によい運動は、適度な負荷がかかるウォーキングなどの有酸素運動だとされています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

ストレスは毛髪にはよくないとされていて、その理由として頭皮の血流の低下があげられています。ストレスは自律神経の交感神経を強く刺激します。

自律神経には体を興奮状態にさせる交感神経と、それと逆に興奮を抑えて、心身ともに落ち着かせる作用がある副交感神経の2系統があります。交感神経も副交感神経も全身に張り巡らされていて、必要に応じて切り替えられています。

交感神経が刺激されると、血管が収縮して血圧が上昇すると同時に、心拍数と呼吸数が増加します。心拍数が増えるのは血管が収縮したために血液の流れる量が減って、酸素も栄養素も不足するからです。

ストレスは、血管に影響するだけではなくて、血液の質にも影響を与えます。それが毛細血管の血流を低下させて、毛髪の育成を妨げることになります。そのメカニズムですが、ストレスを受けることによって血液中のブドウ糖が多くなりすぎて、頭皮を通っている毛細血管の血流が低下することになるからです。

ストレスには肉体的なものと精神的なものがありますが、どちらのストレスであっても現状から逃れるために、そのエネルギーを一時的に作り出そうとする体の反応が起こります。そのエネルギーとなるのはブドウ糖です。

ブドウ糖は食品の糖質に含まれている成分で、全身の細胞を働かせるための第一のエネルギー源となっています。血液中で余分になったブドウ糖はグリコーゲンに合成されて、筋肉と肝臓に蓄積されます。そして、血液中のブドウ糖が少ない状態になると、グリコーゲンが分解されて血液中のブドウ糖が増えていきます。

血液中のブドウ糖が多くなると、ベタベタした状態になって赤血球の一部がくっつくようになります。赤血球は直径が10μm(マイクロメートル)ありますが、毛細血管は8μmほどです。8μmというと蜘蛛の糸の太さですが、この狭い毛細血管を赤血球はつぶれるようにして通過していきます。

これは赤血球が単独で動いているから可能なことで、濃くなったブドウ糖によってくっついた赤血球は変形をしたとしても通過できなくなります。そのために、毛細血管の血流が低下してしまい、頭皮の血流も低下することになるのです。

ストレスによって血液中のブドウ糖が多くなるといっても、精神的なストレスの場合には多くのブドウ糖は必要がないので、この余ったブドウ糖は肝臓で脂肪に合成されます。筋肉のグリコーゲンが減って、脂肪が増えることになると、筋肉が減って、どんどんと脂肪が増えることになります。

脂肪を主に代謝させるのは筋肉の働きであるので、筋肉が減るほど脂肪が代謝されにくくなります。これがストレス太りの原因の一つとなっているのです。

血液中の脂肪が増えると血液がドロドロになって、これも血流を低下させる原因となります。血液中の脂肪というと食事で摂った食品に含まれている脂肪を考えがちですが、体内の脂肪細胞には多くの脂肪が中性脂肪の形で蓄積されています。

この中性脂肪は神経伝達物質のアドレナリンによって分解されて、脂肪酸となって血液中に放出されます。これは興奮状態になって多くのエネルギーが必要となったときのエネルギー源で、強いストレスがかかるほどアドレナリンが多く分泌されて、血液中の脂肪酸が増えていくのです。

血液中の脂肪酸は、肝臓に運ばれると中性脂肪に合成されます。中性脂肪は脂肪酸が3個つながったものですが、血液中の中性脂肪が多くなると、血管の中で固まって流れが悪くなるだけでなく、動脈硬化のリスクも高まります。

動脈硬化は血管が硬くなり、弾力性が失われてく状態で、太い動脈から送り出される血流が低下します。そのために、毛細血管の血流は、さらに低下することになり、頭皮に送られる血液の量も減ってしまい、毛髪が抜けやすくなることになります。

ストレスは、頭皮の悪影響を与えるといっても、その多くが血液中のブドウ糖と中性脂肪の量が関わっているということで、食事で摂る糖質と脂肪の量を抑え気味にすることで対応することも可能です。もちろん、ストレスが強くならないようにすることも必要なことです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

セレンは健康維持に必要な必須ミネラルで、体重60kgの人では体内に10mgほどしか存在していない微量ミネラルです。量が少ないということは、その量が少しでも減少したら健康に影響が生じやすいということです。

セレンには抗酸化作用や代謝促進作用があり、不足すると代謝が低下して毛髪の脱落や爪の変形などが起こり、極端に不足した場合には死に至ることさえあります。

脱毛は遺伝やホルモンバランスの乱れ、ストレスが大きな原因と考えられていますが、食事の変化によるセレン不足も大きな要因となっていることが指摘されています。

セレンが不足すると脱毛のほかに毛髪の再生の遅れ、極端に細い毛髪や柔らかい毛髪しか生えないということも起こりますが、セレンは肉、魚、野菜などに含まれ、通常の食事では不足しないとされています。

しかし、食事の種類や量が同じであってもセレンが不足している人がいて、その原因として身体の消化、吸収、代謝などが考えられ、研究が進められてきました。その結果、明らかにされてきたのが腸内細菌のバランスでした。

腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌に大きく分けられ、健康的な腸内環境とされるのは「2:1:7」の割合となっています。

腸内細菌は、どれも栄養源を取り入れて、代謝物を排出しています。人間にとってよい代謝物を作り出すのが善玉菌、害となる代謝物を作り出すのが悪玉菌とされています。

日和見菌は腸内環境によって善玉菌にも悪玉菌にもあるもので、善玉菌が多い腸内では善玉菌としての働きをして、悪玉菌が多くて善玉菌が少ない腸内では悪玉菌の働きをすることが知られています。

悪玉菌が善玉菌よりも多くなったときには日和見菌が悪玉菌と同じような状態になって、ほとんどが悪玉菌といったような状態となってしまうというわけです。

善玉菌と悪玉菌の栄養源はほぼ決まっていて、善玉菌が主に取り入れているのは主食(ご飯、麺類、パンなど)の糖質と乳製品、食物繊維です。乳製品には乳糖が含まれていて、乳糖が善玉菌の栄養源となっています。

悪玉菌が主に栄養源として取り入れているのは動物性たんぱく質と脂肪です。糖質制限のやりすぎや野菜が不足した食生活では善玉菌が減りやすく、肉や脂肪が多い洋食では悪玉菌が増えやすくなります。

日本人は年齢を重ねると乳糖分解酵素が減少しやすく、そのために乳製品を食べても善玉菌が増えにくいという特徴があります。

善玉菌には腸内での発酵を進めて、便を軟らかくして通過しやすくする作用があります。悪玉菌には腸内での腐敗を進めて、便を硬くする作用があるために便通が悪くなります。

食物繊維には便の量を増やすとともい腸壁を刺激して便通を促進する作用があるので、食物繊維を多く摂ることは便通にはよいことになります。

ただし、野菜の葉や根菜などに多い不溶性食物繊維は便を硬くする作用もあり、海藻、きのこ、果物に多く含まれる水溶性食物繊維には便を軟らかくする作用があるので、水溶性食物繊維を意識して摂ることが大切になります。

腸内細菌の善玉菌を増やすことによってセレンの吸収がよくなるということですが、その仕組みについては千葉大学(大学院薬学研究院予防薬学研究室)の研究によって解明されています。

その研究はラットを用いて実験されたものですが、セレンは善玉菌が多い腸内細菌叢によって、さまざまなセレン化合物はセレノメチオニンに代謝されることが明らかになりました。

食品に含まれるセレンは分子形態が多様で、糖やアミノ酸などのセレン化合物の形があります。食事の嗜好によって摂取するセレン化合物が偏っていたとしても、腸内細菌叢がセレノメチオニンとすることで吸収がよくなるということです。

セレン化合物から代謝されたセレノメチオニンは腸内細菌の中に貯蔵されることも明らかにされました。これによって食事によるセレンが不足する期間があっても、セレンが不足しないのは、この作用によるものと考えられています。

腸内細菌は腸内で増殖しやすい温度帯があります。腸内の温度が高いときには善玉菌も悪玉菌も増殖するのですが、腸内の温度が低いときには善玉菌が増殖しにくいのに対して悪玉菌が増殖しやすくなっています。

腸が冷えている状態では悪玉菌が増えることから善玉菌が減ることになるので、お腹を温めることが腸の状態だけでなく、毛髪にも影響してくるということになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

毛髪の健康のためには、普段からの健康的な生活が大切だと言われます。暴飲暴食、運動不足、寝不足、ストレスがかかる生活は毛髪によいわけがないことは普通に考えてもわかることです。

少しでも健康的な生活を過ごしたいと考えている人が、簡単にできる健康法として取り入れていることの一つに糖質制限があります。

糖質制限は、食事に含まれる糖質を減らすだけで、普通なら健康にはよくないと考えられる肉食も、減らすことなく食べても健康が維持できるというので、飛びつく人が多いのもわかります。

糖質は多くの食品に含まれていますが、最も多く含まれるのは主食のご飯、麺類、パンなどで、ご飯の場合は全エネルギー量のうち約77%は糖質となっています。麺類では中華麺を例にすると約28%、食パンでは約37%が糖質となっています。同じだけの分量を食べたとすると、ご飯は食パンの2倍近くも糖質を摂ることになります。

なぜ糖質制限が健康によいのかということですが、初めて紹介されたときは「糖質制限ダイエット」としてで、糖尿病の人に糖質を制限することによって血糖値を下げる効果があることが裏付けとされました。

食品の糖質にはブドウ糖が含まれています。ブドウ糖は1個の分子の単糖で、ブドウ糖1個と果糖1個が結びついたものは蔗糖(しょとう)と呼ばれます。一般に言われる砂糖のことで、甘い砂糖は半分がブドウ糖ということになります。

ブドウ糖が数多く鎖状に結びついたものがでんぷん(澱粉)で、でんぷんは消化酵素によってブドウ糖に分解されます。ということは、ご飯や麺類、パンなどに多く含まれるでんぷんが完全に分解されると、同じ分量の砂糖よりも多くのブドウ糖を摂ることになります。

全身のエネルギー源というと、糖質(ブドウ糖)、脂質(脂肪酸)、たんぱく質(アミノ酸)ですが、ブドウ糖は全身の細胞に素早く取り込まれて、すぐにエネルギーとなります。細胞にブドウ糖を取り込むためには、インスリンというホルモンが必要になります。

糖質を摂ることによって血液中のブドウ糖が多くなると、これをキャッチした脳から指令が出て、膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンによってブドウ糖が細胞に取り込まれると血糖値が下がるわけですが、血糖値が上昇するほどインスリンが多く分泌されるようになります。

インスリンにはブドウ糖を細胞に取り込む働きのほかに、もう一つ重要な働きがあります。それは肝臓の中で中性脂肪を合成することです。ブドウ糖はインスリンによって肝臓の中で脂肪酸に合成されて、その後に脂肪酸3個が結びついて中性脂肪となります。

脂肪をほとんど摂らないような食生活をしていても、糖質を摂っていると中性脂肪が増えるということですが、中性脂肪は蓄積型の脂肪で、脂肪細胞の中に蓄積されていきます。

これは糖質を摂ることによって太る仕組みで、その逆のことをしようとするのが糖質制限ということになります。

糖質制限をすることで太らないようになるだけでなく、血液中の中性脂肪が減ることによって動脈硬化のリスクを減らすこともできます。

脂肪細胞に蓄積される中性脂肪が増えすぎると、脂肪細胞からアディポサイトカインという生理活性物質が多く分泌されるようになります。

アディポサイトカインが多く分泌されるほど太った状態はメタボリックシンドロームと呼ばれます。

アディポサイトカインには血圧や血糖値を上昇させる作用や、血管を詰まらせる血栓を作る作用があるので、糖質制限によって太らないようにすることは、生活習慣病の予防につながるということです。

糖質制限は健康によいとしても、強い空腹を感じてしまい、続かないという人も多くいます。ブドウ糖は脳の空腹と満腹を調整していて、ブドウ糖の量が多くなると満腹中枢が刺激されて食欲がなくなります。

それとは逆にブドウ糖の量が少なくなると摂食中枢が刺激されて空腹を感じて、ブドウ糖を欲するようになります。このような反応があるのは、ブドウ糖が脳の唯一のエネルギー源となっているからです。

脳細胞にはブドウ糖しか通過できないので、全身の働きをコントロールしている脳の機能を維持するために、ブドウ糖が減ってくると飢餓状態を感じさせて、食べ物を欲しがるようにしているのです。

空腹を感じるほどの糖質制限は、体によいどころか、かえって体には悪い結果になります。どれくらいの糖質が必要かというと、1時間に約4gとされているので、1日24時間では100gほどは最低限必要となります。

このうち脳だけで80gは使われています。臓器や筋肉の働きを正常に保つためには20gは必要ということですが、ブドウ糖100gは、ご飯の量では茶碗2杯分に当たります。

ブドウ糖は全身に平等に届けられるわけではなくて、最優先される脳、内臓などから順番に使われていきます。ブドウ糖不足の状態になると生命維持に必要ではないところからカットされていきます。

一番初めにカットされるのは生殖に関わる器官とされていますが、それに次ぐと考えられているのが毛髪です。毛髪も毛根の細胞はエネルギー源としてブドウ糖が使われています。毛髪に影響が出るのは毛髪が抜けて、再生が遅れたとしても生命の維持には関係がないからです。

そんなことにならないように、少なくとも1日にご飯なら2杯、食パンなら5枚切り2枚、麺類なら1玉の3分の2くらいは食べる必要があるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

自家毛髪培養細胞を用いた細胞治療法が、脱毛症や薄毛に悩む男女に対して安全性と改善効果があることが認められたことを、東京医科大学(皮膚科学分野)、東邦大学(医療センター大橋病院皮膚科)、資生堂(再生医療開発室)の研究チームが発表しました。

再生医療というと、これまでは怪我や病気によって失われた機能を再生することを目的として臓器や器官を元に戻すことに注力されていましたが、再生医療による新たな薄毛治療法の開発に向けた重要な研究成果として注目されています。

再生医療は既存の治療法では対応できない疾患に対して、ヒト由来の組織や細胞を移植して、自己再生能力によって治癒する治療法ですが、これには患者自身の細胞を用いる自家細胞移植と、他人の細胞を用いる他家細胞移植があります。今回の共同研究の技術は免疫拒絶などの副作用が少なく、安全性が高い自家細胞移植となっています。

脱毛症の中でも発生頻度が高い男女の壮年性脱毛症は重篤な疾患ではないものの、外見が気になる人にとってはQOL(生活の質)に関わる重要なことで、新たな治療法が求められていました。

壮年性脱毛症の治療法としては、国内では概要の育毛剤・発毛剤や男性ホルモン抑制効果がある経口治療薬など複数の薬剤などが使われていますが、継続的な服用が必要となります。

また、女性では用量に制限があったり、経口治療薬が使用できないなど薬剤の選択肢が限られていることから、男女ともに充分な効果が得られるものではないと考えられてきました。

研究チームは毛球部毛根鞘(DSC)細胞加工物(S–DSC)を用いた自家培養細胞の頭皮薄毛部への注入施術の臨床検査を実施しました。S–DSCは、東京医科大学、東邦大学、資生堂が共同開発した細胞加工物と医療施術となっています。

その実施方法ですが、被験者の後頭部から少量の皮膚組織を採取して、毛包のDSC組織を培養してS–DSCを獲得して、50人の男性と15人の助成の脱毛部頭皮の4つの異なる部位に、異なる量のDSC細胞、DSCを含まないプラセボ液を注入して12か月後まで総毛髪密度、積算毛髪径、平均毛髪径を測定しました。

その結果、DSC細胞を注射した部位の総毛髪密度と積算毛髪径は6か月後および9か月後にプラセボと比較して有意に増加しました。その有効性に男女差はなく、重大な有害事象も認められなかったといいます。

毛髪の試験というと、これまでは動物試験によって毛髪の一部が増えることは確認されていたものの、被験者を対象とした例は多くはありませんでした。

また、男性と女性では脱毛や薄毛の原因が異なり、その部位も異なることから、同一の方法で同じような結果を出すことは難しいと考えられていました。

有効な濃度と安全性の高い濃度を確認することも手間がかかることですが、この臨床試験では、S–DSCを薄毛部の小さな面積に一度だけ注射することで、有効な細胞濃度を決定して、安全性についても確認することができたといいます。

実際の治療法として使用するためには、薄毛部全体に複数回投与して、見た目でわかる治療効果と安全性を確認する必要があります。まだ、実用化までは期間がかかるものの、大きな期待が寄せられていることです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

白髪になるのは精神的なストレスが大きいと言われています。実際にどうなのかということについては、それぞれの専門家が専門分野の知識を披露して説明してきましたが、新たに科学的な研究成果が発表されています。

ストレスに大きく関係しているのは自律神経の働きで興奮系の交感神経の働きが盛んになりすぎると血管が収縮して血流が低下して、多くの血液を送り込もうとして心拍数が増加します。また、血圧が上昇しますが、それでも血液が運んでくる酸素が不足するような状態になると呼吸数が増えます。

これはわかりやすい変化ですが、気づきにくいところでも変化が起こっています。ストレスが高まって交感神経の働きが盛んになると、毛穴が収縮します。毛穴の収縮が激しくなったときに起こるのが鳥肌です。

寒いときや恐れを感じたときに毛穴が収縮するのは、交感神経が枝分かれして、一つひとつの毛包とつながっているからです。毛包は毛穴の奥の毛根を包んでいる袋状の組織で、交感神経が働くと毛包が収縮して、毛穴から生えている毛が立ち上がるようになります。これは皮膚の毛穴でも頭皮でも同じように起こります。これが、鳥肌が立った状態です。

毛包には2種類の幹細胞があります。一つは毛髪を作る毛包幹細胞で、もう一つは毛髪に色をつける色素幹細胞です。毛包幹細胞が刺激されたときには毛が育つようになり、色素幹細胞が刺激されたときには、色素幹細胞の一部がメラニン細胞となり、ここからメラニン色素が作られて、毛髪を着色していくわけです。

ストレスが強まって、血流が低下すると毛包幹細胞の働きが悪くなって成長しにくくなることから、こちらは薄毛のほうに影響してきます。色素幹細胞のほうはストレスによって多く分泌されたノルアドレナリンによって働きが抑えられます。

ノルアドレナリンは交感神経の情報伝達物質で、興奮ホルモンとも呼ばれていますが、色素幹細胞は働きが抑えられるだけではなくて、激しいストレスを受け続けると色素幹細胞そのものを傷つけることにもなります。完全に傷つけられると色素幹細胞が枯渇した状態になって、その後は黒い色素が作られなくなります。

もう少し詳しい仕組みを説明すると、色素幹細胞は少しずつメラニン細胞を作り出していますが、ノルアドレナリンによって色素幹細胞が強い刺激を受けると本来の働きが障害を受けて、すべての色素幹細胞がメラニン細胞に変化します。

そして、メラニン細胞は一定量のメラニン色素を作り出すと活動を停止します。こうなると次からはメラニン色素が作り出せなくなるので、白髪になるということです。

年齢を重ねると色素幹細胞がメラニン細胞を作る能力が低下して白髪が多くなっていくわけですが、強いストレスによって色素幹細胞が枯渇すると、もうメラニン色素が作られなくなって、白髪しか生えない状態になってしまうというわけです。

ストレスが強い状態が長く続くと白髪になることがわかったところで、ではストレスが解消されたら白髪がなくなるのか、つまり黒髪に戻ることができるのかということが気になります。

このことを期待したいところですが、強いストレスによって色素幹細胞が失われた状態になったら、もう二度と復活することはありません。

それなのにストレスが解消されることによって白かった毛髪に黒い色素が戻ってくるのは、白髪であっても色素幹細胞が生き残っていて、メラニン細胞を作る能力が一部であっても残っているからです。だから、白い毛髪は一部が黒くなる可能性はあっても、全部の毛髪を戻すことはできないのです。

もう一つの白髪が黒くなる理由としては、白髪になるのはストレスだけではないことがあげられます。白髪の原因は、年齢による老化、遺伝、紫外線などがあり、これらのことが色素幹細胞に影響を与えています。

また、栄養不足も原因となります。毛髪の90%以上はタンパク質のケラチンで、18種類のアミノ酸によって構成されています。そのアミノ酸が不足すると色素幹細胞の能力が低下することになります。

ミネラルのアルギン酸もケラチンの合成には必要です。毛髪のコラーゲンを増やすためにはビタミンのパントテン酸も必要となります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

頭部で気になるものの一つにフケがあります。フケは頭皮の角質細胞に皮脂が混ざって乾燥して剥がれるもので、漢字では浮垢、雲脂とも書かれます。頭皮に限らず、皮膚はターンオーバー(新陳代謝)によって常に剥がれ落ちています。

通常のターンオーバーによって発生したフケは小さくて、毛髪を洗うときに取り除かれるので、フケが洋服の肩について残るようなことはないので目立つことはありません。

そのフケが目立つようになっているとしたら、ターンオーバーが早くなって、まだ剥がれるはずではなかった角質細胞が大きい状態で剥がれるので、目に見えてしまうことになるのです。

頭皮のターンオーバーが早くなるのは、頭皮の皮脂が関係していて、適度な皮脂の量のときには頭皮の常在菌であるマラセチア菌も適度な量が保たれています。皮脂は頭皮の潤いのもとであり、マラセチア菌は頭皮カビとも呼ばれる真菌の一種ですが、雑菌の侵入を防ぐ大事や役割をしています。

常在菌は常に皮膚に存在していて、頭皮の免疫の最前線として雑菌と戦ってくれている大切な存在です。

ところが、マラセチア菌が少なくなると雑菌が増えるだけでなく、多くなりすぎると皮脂を栄養源としているマラセチア菌が増えます。そのマラセチア菌によって遊離脂肪酸が増えて、脂漏性皮膚炎を起こすために頭皮の健康が保たれなくなります。

フケは乾燥フケと脂性フケの2タイプに大きく分けることができます。乾燥フケは洗髪のしすぎや強いシャンプーのためにダメージを受けていることが原因となっています。パサパサしたフケが特徴です。

脱毛予防には頭皮の刺激が必要と思って、ゴシゴシと洗ったり、爪を立てて洗うということによって必要な皮脂が洗い流されてしまうだけでなく、洗髪後に乾かすときにドライヤーの熱風を当てることでも乾燥が進んで頭皮を傷めることになります。

また、皮膚のアレルギーがある人も乾燥フケが増える傾向にあります。

脂性フケはベトベトした感じの湿っているフケで、皮脂の分泌が多いか、マラセチア菌が増えすぎたか、その両方が重なったために発生します。皮脂が多くなるとマラセチア菌が増えて、マラセチア菌が増えると皮脂が増えるという悪循環に陥ってしまいます。

フケの原因は、これ以外にもあって、不規則な食生活、睡眠不足、ストレスも大きく影響しています。食生活、睡眠、ストレスともに免疫に影響を与えます。

免疫は体に必要なものと不必要なものとを識別して、不必要な外敵だけを攻撃する能力のことを指しています。免疫が低下すると雑菌が増えて皮膚炎を起こす要因ともなります。年齢を重ねて老化が進むと、免疫が低下して炎症が起こりやすくなります。

また、頭皮に限らず皮膚のターンオーバーは深夜の0〜2時の間に盛んになる特徴があるため、この時間に寝ていることも大切になります。

フケを減らすためには、先ほどのきちんとした食生活、充分な睡眠、ストレスの軽減も必要ですが、それと同時に正しい方法でシャンプーをすることが大切です。シャンプーのしすぎがフケの原因の一つと聞くと、洗髪の回数を減らす人もいます。

洗髪そのものが悪いのではなくて、頭皮にダメージを与える成分が含まれたシャンプー、頭皮に余分な刺激を与えるような洗い方が問題なのであって、ターンオーバーで剥がれ落ちた角質細胞を洗い流しておくことは必要です。

シャンプーには乾燥肌用、ベビー用、アミノ酸系といった敏感肌を対象としたものがあるので、それを使って、毎日1回、頭皮は指の腹で優しく洗うようにします。

頭皮が乾燥して、かゆみがある場合には、シャンプーもリンスも残らないように、しっかりと洗い流します。ドライヤーはできるだけ短時間にするようにします。

乾燥フケの場合には、皮脂を取り除いて頭皮を乾燥させる作用がある石油系や高級アルコール系のシャンプーは避けるべきです。

脂性フケの場合には、毛穴の皮脂が取り除かれたほうがよいので、シャンプーのときに頭皮マッサージをするのも有効ですが、フケの原因を減らすためにマラセチア菌の増殖を抑える作用がある成分が含まれたシャンプーを選ぶようにします。その成分はミコナゾール硝酸塩です。

脂漏性皮膚炎は30歳以降で多くなり、男性は女性の2〜3倍と多くなっていることから、マラセチア菌を増やさないように、適したシャンプーでしっかりと洗髪することが必要だということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「いい夫婦の日」余暇開発センターが、いい(11)夫婦(22)の語呂合わせで制定。

「回転寿司記念日」元禄産業(大阪府東大阪市)が回転寿司の考案者の白石義明の誕生日(1913年11月22日)にちなんで制定。

「甘酒ヌーボーの日」ユーセイ・プロモーション(東京都目黒区)が二十四節気の小雪に甘酒を飲むと身も心も温まるということで制定。

「長野県りんごの日」全国農業協同組合連合会長野県本部が長野県産りんごのふじの最盛期であることと、いい(11)ふじ(22)の語呂合わせで制定。

毎月22日:「カニカマの日」(スギヨ)、「禁煙の日」(禁煙推進学術ネットワーク)、「夫婦の日」(毎日新聞、味の素など)、「ラブラブサンドの日」(日糧製パン)

100kcalの食材の摂取を基本とした栄養摂取法は、臨床栄養の世界ではダイエットデザインハウスと呼ばれています。これは100kcalの食材を主食(主に炭水化物)、主菜(メインのおかず)、副菜に分けて、それぞれを三角形の紙にしたところから始まっています。

基本となる1日の摂取エネルギー量を1600kcalとして、三角形の紙を16枚並べていくと、三角屋根の家の形になるところから命名されました。1600kcalでは家の形になっても、100kcalでも増減があると形が違ってきます。

そこで考えたのが、1枚が100kcalとしたチケットを作って、それぞれの人の摂取エネルギー量に合わせた枚数を渡して、1日に食べるべき食材の量がわかるようにしました。

そのアイデアは、私が代表を務めていた日本100キロカロリーダイエット協会として形にしました。

朝食で食べたもの、昼食で食べたものを千切って、残ったもので夕食を作ればバランスが取れることになるわけですが、初めからうまくいく人は少数派です。大抵は、主菜が足りなかったり、主菜がないということにもなります。

朝食と昼食で主菜のほとんどがなくなるようだと、これは1日に食べる量が多すぎることがわかります。

食品のバランスを考えながら、これを何日か続けていると、だんだんと調整が取れるようになっていきます。

もう少し詳しく説明すると、1日の摂取エネルギー量を1600kcalとすると、主食は800kcal、主菜は400kcal、副菜は400kcalの割合となります。

主食は、主に糖質(炭水化物)で構成される食品で、ご飯やパン、麺類などが該当します。主菜は主にたんぱく質で構成される食品で、肉、魚、卵、豆腐などが、また副菜はビタミン、ミネラル、食物繊維、油を多く含む食品で構成されます。

ダイエットデザインは、食品を100kcal単位で考え、紙1枚を100kcalとして、紙の色と枚数で、料理に使用する食品のバランスを考える方法です。

私たちの指導では、主食は黄色、主菜は赤色、副菜は緑色として、100kcalの紙が主食の黄色が8枚、主菜の赤色が4枚、副菜の緑色が4枚となります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕