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エネルギー代謝というと、食事で摂ったエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)が体内でエネルギー化することを一般に指しています。エネルギーを発生させているのは全身の細胞の中にあるミトコンドリアです。

エネルギー代謝が盛んになると、余分な脂肪がエネルギー化されることで太りにくい、エネルギーが多く発生した分だけ身体が温まるということが注目されがちですが、エネルギー代謝の結果は、それだけではありません。

エネルギー代謝の割合は、生命維持に必要な基礎代謝が約70%、活動代謝が約20%、食後の熱産生が約10%とされています。基礎代謝の70%は体温の維持に使われているので、全身で発生したエネルギーのうち半分ほどは体熱に使われていることになります。

エネルギー代謝は2つに分けられていて、エネルギー物質からエネルギーが発生するのは前半であって、異化と呼ばれています。発生したエネルギーを使って、それぞれの細胞が働くことは後半で同化と呼ばれます。

細胞の中で発生したエネルギーは、その細胞の中でしか使われません。細胞の働きを高めようとしたら、エネルギーを多く発生させることが必要になります。臓器を元気にしようとしたら、その臓器を構成する細胞が本来の働きができるように、エネルギー代謝を盛んにしなければならないということです。

そのためには、エネルギー量が多い脂肪を有効に代謝させることです。エネルギー量はエネルギー源によって違っていて、糖質とたんぱく質は1gあたり約4kcal、脂質(脂肪)は約9kcalと2倍以上のエネルギー量があります。

そこで代謝促進物質として、脂肪酸をミトコンドリアに送り届けるL–カルニチンが注目されています。日本人は血液温度が低くて、それが冷えやすい体質の要因となっていますが、血液温度は脂肪酸が多くエネルギー化されて、細胞が温まることで高まっていきます。

L–カルニチンは日本人の冷えの体質を改善することも期待されているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

特定非営利活動法人(NPO法人)セカンドステージ連盟は、2つの特定非営利活動法人、2つの一般社団法人の代表者が集って、新たな活動に取り組んでいます。セカンドステージは、新たな挑戦をする場所を意味していて、その対象の第一ターゲットは企業・団体で働く人です。

65歳までの定年延長が義務化される2025年4月からは、企業・団体では働く人の健康づくりは、従来のスタイル(ファーストステージ)だけでは対応できなくなることも考えられることから、新たなスタイル(セカンドステージ)が強く求められるようになります。

また、70歳まで働くことを希望する方の雇用が努力義務となることから、企業・団体の中にも新たな働き場が求められるようになり、さらに企業・団体の中だけでなく外にも見出さなければならなくなっていきます。

この時代の流れに対応できるような環境づくり、そのための支援活動もセカンドステージ連盟の役割としています。企業・団体の中にセカンドステージを作り上げることができない場合には、地域に受け皿となる働き場、活動の場を作ることになりますが、その場を一緒になって作っていくという活動も目指しています。

これを居場所という観点で考えていくと、第1の居場所(家庭)、第2の居場所(仕事場)に続く第3の居場所となります。第3の居場所は、企業・団体の工夫と努力でも可能であっても、これだけでは継続し続けることは難しいかもしれません。

継続のためには、地域の特性に合わせた集う機会が必要で、同じ地域で生まれた活動であれば似たような、共通項を見出して同じ方向を見ていく活動にもなっていきます。その第3の居場所をつなげていく第4の居場所づくりとしての地域コミュニティも私たちが目指していくところです。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕

「フライド・チキンの日」KFCホールディングスが1970年の11月21日に日本ケンタッキー・フライド・チキン日本1号店が開店したことにちなんで制定。

「かきフライの日」味のちぬや(香川県三豊市)が牡蠣がおいしくなる11月とフ(2)ライ(1)の語呂合わせで制定。

「自然薯芋の日」麦とろ童子(静岡県熱海市)が、いい(11)じねんじょいも(21)の語呂合わせで制定。

毎月21日:「木挽BLUEの日」(雲海酒造)、「漬物の日」(全日本漬物協同組合連合会)

病院給食の世界に初めて関わったときに、病院栄養管理研究所の先輩の管理栄養士から聞いたのは「治療食は東京大学と慶應義塾大学で違っている」ということでした。病院給食ということでは東京大学医学部附属病院と慶應義塾大学病院で違っているということになります。

よく話を聞いていくと、東京大学だけでなく、慶應義塾大学以外のすべての大学は80kcal単位の栄養学を採用していて、慶應義塾大学だけが100kcalの栄養学を採用していることがわかりました。

病院給食の80kcalについては、大学生時代にアルバイトで編集を担当していた厨房機器の業界団体の機関誌「月刊厨房」の中にも出てきていたので、これが当たり前のことだと思っていました。

その常識からすると、慶應義塾大学病院だけが違ったことをしているのかと思い、なぜ100kcalになったのかを調べてみたら、私の感覚が非常識であることに、すぐに気づかされました。

日本の栄養学は、明治時代に軍隊の食事から始まった歴史があり、そのときには海外の軍隊食を参考にしていました。当時の軍医であった森林太郎はドイツで軍隊の栄養を学び、これを日本に持ち帰りました。森林太郎は文学者の森鴎外の本名です。

ドイツでは軍務の内容によって摂取すべきエネルギー量が違っていて、100kcalを単位として提供されていました。これが基本となって、日本の栄養は軍隊に限らず、100kcalで実施されていたのですが、これが大転換したのは第二次世界大戦の後でした。

戦後の食糧難の時代には、肥料・飼料が不足していたことから食材の成長が悪く、また小さくカットして出されていました。この状態を摂取エネルギー量で調査した研究者が1食あたりの食品のエネルギー量が80kcal前後で合ったことを突き止め、これを日本栄養・食糧学会で発表しました。

この発表者が、私が事務局を務めた産業栄養指導者会の初代の会長であったことから、本人から直接うかがうことができました。

80kcalでは計算しにくいことから単位という考え方が生まれて、「80kcal=1単位」とされました。現在では、1食あたりの食品のエネルギー量は100kcalに近くなっているのに、いまだに80kcalが採用され続けていて、栄養指導を受ける人が理解にくい状態が続いています。

これをなんとかしたいとの思いから、私たちは100kcalの栄養学の普及をすすめています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

前回(食事摂取基準3)で触れた健康増進法に基づき定める食事摂取基準について、以下に紹介します。

〔健康増進法に基づき定める食事摂取基準〕
1 国民が健康の維持増進を図る上で摂取することが望ましい熱量に関する事項
2 国民が健康の維持増進を図る上で摂取することが望ましい次に掲げる栄養素の量に関する事項

イ 国民の栄養摂取の状況からみて、その欠乏が国民の健康の保持増進に影響を与えているものとして厚生労働省令で定める栄養素
・たんぱく質
・n-6系脂肪酸、n-3系脂肪酸
・炭水化物、食物繊維
・ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ナイアシン、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC
・カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン

ロ 国民の栄養摂取の状況からみて、その過剰な摂取が国民の健康の保持増進に影響を与えているものとして厚生労働省令で定める栄養素
・脂質、飽和脂肪酸、コレステロール
・糖類(単糖類または二糖類であって糖アルコールでないものに限る)
・ナトリウム
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

介護予防は、要介護状態の発生をできる限り防ぐことが第一義です。この予防がうまくいかずに要介護状態になった場合には悪化をできる限り防ぐことが次の目的となります。

要介護状態の発生を防ぐといっても、高齢化が急速に進み、日本人の平均年齢が50歳を超えた現在では、防ぐというよりも“できるだけ発生を遅らせる”ことが中心になるのは仕方がないことです。

介護予防の目的は、介護を減らすこと、介護状態になったとしても介護の手間が軽減されることで、国民的に健康度を高め、自立した生活を送れる(医療と介護に頼らずに済む)期間の延長、介護期間の短縮、介護の負担の軽減を目指して、最終的には介護保険給付金の抑制が期待されています。

健康づくりの活動については、「健康な要介護者を増やす」ということが言われたことがあります。この言葉は誤解を招いたこともあって今では使われなくなっていますが、重要なポイントが隠されています。

介護を受けるようになった高齢者は、健康面でも低下した状態になると一般には認識されています。高齢者は運動機能の低下があり、内臓の働きも低下傾向にあることから、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)も多くなる傾向があり、さらに動脈硬化、心疾患、脳血管疾患といった合併症によって、健康とは呼びにくい状態であるのは通常の認識です。

生活習慣病があると運動機能の低下が起こりやすいのは事実で、生活習慣病がなければ加齢によって運動機能が進んでいったとしても低下の速度を遅くすることは可能です。

生活習慣病と運動機能低下が重なると、70歳前後から急に機能低下が低下していくようになります。それだけに生活習慣病のない「健康な状態」であることが介護の発生を遅らせ、介護が必要になっても負担を軽減させることもできます。

足腰の機能低下は何も65歳以上の高齢者で起こるものではなく、その始まりは55歳から始まります。労働安全衛生法では、55歳以上は高年齢者に分類されていて、筋力の低下だけでなく、反射力や注意力の低下もあって事故が起こりやすくなります。

この事故が、後々に介護の状態を重くすることにもなるので、55歳を過ぎた頃から生活習慣病の予防と改善、それに運動習慣によって対応することが重要になってくるということです。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕

強いストレスを受けたために一晩にして黒髪が白髪になった、という伝説がありますが、そのようなことが実際に起こるのかといったことは、よく話題にのぼります。一晩にして白髪になったというのは、フランス革命で処刑されたマリー・アントワネットの処刑前日の話として伝えられていることです。

毛髪は、もともとの色は白で、メラノサイト(色素形成細胞)で作り出されたメラニン色素によって黒色となっています。メラノサイトは毛母細胞に接した毛球にあります。メラノサイトの働きが弱くなると、メラニン色素が少なくなり、メラニン色素の量が大きく減少すると白髪になります。この変化は徐々に起こるもので、一晩にして変化するということは通常では考えられません。

ストレス白髪の関係は、これまでにも複数の研究者によってメカニズムの解明が進められてきましたが、アメリカ・ハーバード大学の研究チームがストレスによって白髪が発生するメカニズムを発表して、これがイギリスの著名な科学誌『ネイチャー』に掲載されました。研究はマウスを使った動物試験の結果ですが、マウスにストレスを与えて、白い毛が生えてくる過程を観察しました。

ストレスを感じたときには自律神経の交感神経の働きが盛んになり、神経伝達物質のノルアドレナリンが多く放出されます。ノルアドレナリンが放出されると血圧が上昇し、心拍数や呼吸数が増加して、体を活動的にさせてくれます。研究チームは、ストレスが高まったときには、毛根付近の細胞を活性化させることを突き止めました。

毛根付近にある幹細胞は通常では、髪が生える過程で徐々に色素細胞に変化して、毛髪の色素が作り出されていきます。ところが、ノルアドレナリンによって過度に細胞が活性すると、色素細胞に変化するスピードが早まり、早くメラニン色素が少なくなります。

ストレスを受けると血管が収縮して、血流が低下します。これも交感神経の働きが盛んになったときの反応ですが、そのために頭皮に酸素と栄養成分を運んでいく毛細血管の血液の流れが減って、毛母細胞にもメラノサイトにも必要な成分が届きにくくなります。このことが白髪になりやすくさせるとともに、毛髪の成長も遅らせることになるわけです。

白髪は年齢を重ねると増えていくのが通常のことですが、若白髪と呼ばれるものがあります。若白髪の原因は、ストレス、不規則な生活、栄養不足、過激なダイエットなどがあげられているものの、それには心当たりがないという人も少なくありません。

遺伝が最も大きな要因と考えられていて、通常では白髪は30代後半から40代前半で出始めますが、遺伝の影響を受けると10代から出ることもあります。両親のどちらかが白髪ということではなく、どちらかが若白髪であった場合には、その体質を受け継いで白髪になる可能性が高まります。

白髪が出始める時期については、中国最古の医学書とされる2000年前の後漢の時代に記された「黄帝内経」の中に書かれています。女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢を節目に体の変化が訪れるとして、女性は42歳で、男性は48歳で白髪が目立ち始めるとの記述があります。7の倍数、8の倍数ということでは6周期目となります。平均寿命が延びた現代では、もっと遅くなって50代になって白髪が目立つようになっています。

ちなみに、未病という言葉は「黄帝内経」の中に初めて登場したもので、白髪が生えてくるのは体の変化の一つの兆候とみられています。

白髪は処理を間違うと増えていくと言われています。その間違いというのは抜くことです。白髪は毛母細胞に接したメラノサイトでのメラニン色素の量が少なくなるために起こるもので、抜いたあとに生えてくる毛髪も同じ特徴を持っているために、白髪が生えてきます。

白髪を抜いたからといって他の毛髪が白髪になるわけではないのですが、毛髪は一つの毛穴から2〜3本が生えていることから、同じところから生えている毛髪は同様にメラニン色素の量が少なくなっている可能性が高くなっています。このことから、抜いた後に白髪が増えたように見えるという結果につながっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

髪の指通りがよくて、抜け毛、白髪、かゆみやフケにも効果があるということで人気が高まっているアミノ酸シャンプー。アミノ酸シャンプーは洗浄剤にアミノ酸の成分を使用しているもので、洗浄力は弱めではあるものの、刺激が少なく、頭皮にも優しいことを特徴としています。シャンプーに使われるアミノ酸には、タウリン、アラニン、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸などの種類があります。

アミノ酸は全身の細胞を構成するタンパク質の成分で、天然のアミノ酸は500種類以上あるとされていますが、体を構成しているアミノ酸は20種類でしかありません。毛髪もアミノ酸が組み合わされたタンパク質でできているため、これが毛髪に優しい理由とされています。

毛髪の健康には、シャンプーによって汚れや余分な皮脂を落としても、毛根を守るために必要な皮脂を残すことが必要です。アミノ酸シャンプーは汚れを落として、皮脂が洗い流されすぎないようにするという特徴があり、頭皮が過敏な人やフケが出やすい人、皮膚のアレルギーがある人に向いています。

また、シャンプーに含まれるアミノ酸が頭皮に浸透して、頭皮を守るという有効性をうたっている商品もあります。アミノ酸シャンプーは、ヘアサロンでは以前から使われていたもので、プロの仕上がりが期待され、保湿性がよく、パサつきがないことから指通りがよく、髪のまとまりもよいことが一気に広まっていった要因となっています。

プラスの面ばかりが強調されがちですが、アミノ酸シャンプーのデメリットを指摘する声もあります。余分に皮脂を落とさないとしても、全体的には洗浄力が弱いので、整髪剤や汚れが落としにくいということはあります。臭いが残ることもあります。また、保湿性が高いことから、さっぱりとした洗い上がりにはならないという面もあります。さらに加えると価格が高いこともあげられます。

ブラシで髪の毛をとくと毛髪が抜けるからとブラシを使わないようにしている人もいます。しかし、ブラシで抜けるのは、数日したら抜けるはずだった毛髪がブラシの刺激で先に抜けただけのことで、ブラッシングが抜け毛の原因ではありません。アミノ酸シャンプーを使うことで抵抗性が弱まってブラシで抜ける毛髪は減るのですが、その抜けなかった毛髪も数日で抜ける運命にあったものだということを考えると、抜け毛が予防できるという効果に疑問が抱かれることもあります。

アミノ酸シャンプーに使われている成分としては、タウリン系(ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa)、アラニン系(ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルメチルアラニンTEA)、グリシン系(ラウロイルサルコシンTEA、ラウロイルサルコシンNa、ココイルサルコシンTEA、ココイルサルコシンNa、ココイルグリシンK)、グルタミン酸系(ラウロイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸TEA)、アスパラギン酸系(ラウロイルアスパラギン酸Na)があります。

タウリン系は刺激が弱く、適度な洗浄力があり、細かな泡立ちと、さっぱり感が特徴的です。アラニン系は泡立ちがよく、適度な洗浄力に加えて、すすぎやすく、サラサラ感があるのが特徴です。グリシン系は洗浄力がやや強めで、泡立ち泡切れともによく、さっぱり感があります。

グルタミン酸系は洗浄力が弱く、泡立ちも弱いものの、指通りのよさと、しっとり感が特徴となっていて、ヘアサロンで多く使われています。アスパラギン酸系は泡立ちと適度な洗浄力があって刺激が少ないことから人気があります。

アミノ酸シャンプーだと思って手にしたら、実は違ったシャンプーだったということもあります。それはアミノ酸配合シャンプーです。よく見ればアミノ酸シャンプーではなく、「アミノ酸配合」と書かれています。商品パッケージには配合量が多い順に成分が表示されます。最も多いのは水で、その次に表示されているのが洗浄剤の成分です。そこに高級アルコール系洗浄成分のラウリル硫酸、ラウレス硫酸、スルホン酸と書かれていたら、これは一部の成分としてアミノ酸が含まれているアミノ酸配合シャンプーとなります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

抜け毛の原因はホルモン分泌の変化、血流低下、栄養不足など、さまざまな原因があげられています。その一つに糖尿病を指摘する専門医もいます。糖尿病になると血流が低下して、そのために毛髪を作り出す毛母細胞に栄養が充分に送られなくなり、毛髪の成長が遅れたり、抜けやすくなると言われています。

糖尿病患者は、国民健康・栄養調査の結果によると、約1000万人と推計されています。この数は医療機関に通っている患者数ではなくて、「糖尿病が強く疑われる者」とされています。糖尿病の予備群は国民健康・栄養調査では「糖尿病が否定できない者」とされていて、その数は約1000万人と推計されています。統計の対象は成人人口の約1億人なので、日本人の5人に1人は糖尿病か予備群ということになります。

糖尿病については男女差が大きく、男性の場合は糖尿病患者だけでも約18%となっています。これだけ糖尿病の人が多く、糖尿病のリスクが高い人がいて、さらに男性のほうが発症率が高いとなると、糖尿病と抜け毛の関係が気になる人が増えるのも当然のことかもしれません。

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなりすぎて、尿の中に糖が多く含まれることから名付けられました。余分な糖が出てくるのだから問題はないのではないかと単純に考える人がいるかもしれませんが、全身の細胞のエネルギー源となるブドウ糖が細胞に適切に取り込まれなかったために血液中で濃くなったことから、血管にダメージが与えられます。血液中のブドウ糖が多くなると、血管の細胞にブドウ糖が入り込み、糖アルコールに変化します。また、糖には水分を吸着する作用があるために、細胞内の水分が多くなります。

細胞は水分量が一定の状態で正常な働きをするため、水分量が多くなると新陳代謝が低下してしまいます。細胞の再生が遅くなることから、血管がもろくなり、傷つきやすくなっていきます。糖尿病の最大の問題は血管の老化が進み、そのために合併症が起こることです。

糖尿病の合併症のうち糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害は三大合併症と呼ばれています。網膜、腎臓、神経細胞は毛細血管が密集していて、血管の老化によって血液が充分に送られなくなり、酸素も栄養素も不足した状態になります。そのために合併症が起こるわけですが、そのほかにも毛細血管が多い脳、心臓、皮膚などにも影響が出てきます。毛髪が生えている頭皮も皮膚の一部で、頭皮は特に毛細血管が多く、さらに血流が低下しやすいことから、糖尿病になったり、その予備群となっただけでも毛髪の状態への悪影響が考えられているわけです。

糖尿病と予備群は血流が低下して酸素と栄養素が充分に運ばれなくなるだけでなく、血液中のブドウ糖が多くなりすぎたために、さらに毛髪の状態に悪影響が出てきます。毛細血管の直径は5〜8μm(マイクロメートル)です。1μmは0.001mm(ミリメートル)、つまり1000分の1mmです。毛細血管という名前から、毛髪の太さをイメージするかもしれませんが、毛髪の太さは0.05〜0.08mmで、毛細血管は10分の1以下のサイズです。

極めて狭い毛細血管ですが、ここを通過する赤血球の直径は7〜8μmです。毛細血管の中でも太めのところは、そのまま通過できても、細い部分を通過するときには扁平して(つぶれて)通っていきます。

これは赤血球が一つひとつ独立しているから可能なことですが、血液中のブドウ糖が多くなって血糖値が高い状態になると、赤血球がくっつくようになります。くっついた赤血球は毛細血管を通過することができなくなります。赤血球は肺で酸素を受け取り、全身の細胞に酸素を運び、不要となった二酸化炭素を肺まで運んでくるという働きをしています。

毛細血管を通過できる赤血球が少なくなると、その毛細血管が通っている部分の細胞は酸素が不足して、二酸化炭素が多い状態になることから、細胞の新陳代謝が低下することになります。その結果、毛髪に影響が出てくるということで、抜け毛は糖尿病を発見するサインの一つとされているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

ヘアドライヤーには温風と冷風の切り替えスイッチがついています。洗髪後の濡れた毛髪を乾燥させるだけなら温風だけでよいはずですが、温風と冷風の切り替えは初めて販売されたヘアドライヤーにもつけられていました。

そのことから、何かの役割があるはずだというのは想像がつくはずです。何の役割かというと、毛髪のケアのためには冷風が必要で、メリットはいくつもあります。

メリットの前にヘアドライヤーの温風と毛髪の関係から説明すると、毛髪にとって温風は乾燥をさせるためにダメージを与えるものとなります。毛髪は適度な水分が保持されることでハリやコシが保たれています。

毛髪はウロコ状のキューティクルによって表面が保護されているのですが、温風を当てるとキューティクルが開いてきて、毛髪の水分が抜けてしまいます。そのために傷みやすくもなります。開いたキューティクルを閉じさせて、水分を保持するのが冷風の一つの役割です。

毛髪はキューティクルが開いているときには曲がりやすく、ヘアドライヤーの温風を当てながらセットをすると自由な形にすることができます。このままだと元に戻りやすくなるので、セットした状態をキープするために冷風を当てるということです。くせ毛は温風のあとに冷風を当てることで直毛状態に整えることもできます。

キューティクルが閉じていると、毛髪同士の摩擦が起こりにくくなり、絡まりにくくもなります。寝ぐせは、寝ている間に枕と毛髪の間の摩擦によって起こりやすくなるのですが、温風のあとに冷風を当ててキューティクルを閉じておくと、枕との摩擦も弱まるので、寝ている間の乱れが少なくなります。

ヘアドライヤーによっては温風の熱量と風量が切り替えられるものがあります。熱い風を勢いよく送り出せば早く乾かすことができるのは当然のことなのですが、毛髪は温度が上昇するほど毛髪にダメージを与えることになります。

一般のヘアドライヤーの温風の温度は100〜120℃となっています。これは毛髪だけでなく、頭皮も乾燥させることになり、毛根のほうにもダメージを与えることになるので、できれば低めの温度で、多くの風量で乾燥させて、最後に冷風で整えるというようにするべきです。

ヘアドライヤーは後ろ(吹き出し口の反対側)から空気を取り込むものが一般的ですが、ヘアサロンでは横から取り込んで、吹き出し口に送り込むタイプが使われています。横のファンは大きくて、しかも左右から取り込めるので風量が多くなり、風の勢いで乾燥させることから温度が低めでもしっかりと乾燥させることができます。

ヘアドライヤーはヒーターで温めておいて、そこに空気が通過することで温められているので、同じ温度であったら風量が少ないほど吹き出す温風の温度が高くなります。逆に風量が多ければ温風の温度は低くなるわけで、風量を多くすることで温度を低めにして、短時間で乾燥させようとするものです。

業務用のヘアドライヤーのメーカーが最近では少し小型ではあるものの、同じ方式のヘアドライヤーを一般向けにも販売するようになりました。

毛髪の水分を保持するためにナノイーを活用したものがあり、これを使うとヘアドライヤーから水分が保持された空気が送られることから、毛髪の水分が抜けにくくなります。吹き出し口からの水分量は2倍ほどにもなっているといいます。

プラズマクラスターを活用したヘアドライヤーも水分保持力に優れています。プラズマクラスターはプラスのイオンとマイナスのイオンを風に乗せて毛髪と頭皮に送り出すもので、保湿効果のほかに静電気の発生を抑える効果があり、毛髪についた臭い成分を分解する効果も知られています。

最近の注目商品としては、スカルプドラーヤーがあげられることが多くなっています。これは遠赤外線と音波振動によって頭皮をケアすることもできるという新ジャンルのヘアドライヤーです。遠赤外線によって60℃の温風でも乾燥させることができます。

普通にヘアドライヤーとして使っているときには音波振動の効果は得られないのですが、アタッチメントをつけて頭皮に当てることによって頭皮のマッサージ効果も得られるというものです。

こういったヘアドライヤーも、温風と冷風を上手に切り替えて使わないと、せっかくの効果が充分に得られないことにもなりかねません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕