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四十腰、五十肩なら六十は?

健康誌の編集者から「四十肩」の予防法を知りたいという問い合わせがありました。予防法は、今どきはWEBサイトで、いくらでも調べられるのに、わざわざ聞いてきた理由を尋ねると、「四十肩と五十肩の違いと、なぜ10年後に起こるか、という切り口の記事にしたい」という話でした。これには的確に答えておいたのですが、情報を伝えているときに気になったことがあります。それは、そもそも“四十肩”という言葉があるのか、とい


超高齢社会を平均年齢の変化から考える

日本人の平均寿命(2018年調査)は男性が81.25歳、女性が87.32歳となっていますが、平均寿命が延びるほど高まっていくのが“平均年齢”です。日本人の平均年齢は2020年に48.36歳になると推測されています。平均寿命の半分よりも高くなっているということは、それだけ高齢者が多いということを示しています。現在の高齢化率(65歳以上の割合)は27.7%で、超高齢社会の21%を簡単に越えて、もう一つ


病院給食の食事環境は味の評価を越える

一人ぼっちで食事をするよりも、複数で食事をしたほうがおいしく感じるものです。一人暮らしの人が、家族や知人と一緒に食事をすると、同じものを食べてもおいしさが違います。周囲で元気に楽しく食べている人がいると、誘われて食欲が増すというのはよくあることです。しかし、その集団で食べるところが病院となると、話が違ってきます。病院によっては食事を食堂やデイコーナーなどで食べるのが原則となっているところもあります


苦情のない病院給食はよい食事の証拠か

病院の栄養管理の学会などの発表の場で、「うちの病院は食事への苦情がない」ということを、胸を張って発言している医師や管理栄養士がいます。苦情がないということは病院給食の内容に満足しているということを言いたいのでしょうが、そうとは限らないことは栄養管理の現場取材をしているとわかっています。 身体の状態がよくなくて、食欲が湧かない状態のときには、食欲が湧くような、食べやすい料理、できれば好きな料理を食


患者の食事の要望が伝わりにくい理由

美味しくないものは何かと聞かれて、食べ物や料理をあげるのではなくて、「病院給食」と答える人は少なくありません。料理は少ない量を作るよりも多くの量を作ったほうが美味しくなるという意見もあるのですが、給食のように大量になると食べる個々の人には対応しきれなくなるということも起こります。 病院給食は、患者に合わせた栄養素を指示する医師の食事箋に従って、管理栄養士が献立にして、それを調理師が料理にして、看


なぜ管理栄養士が栄養指導する制度になったのか

臨床栄養という世界があります。臨床栄養は、外来・入院の患者の栄養管理、食事療法などを研究領域とする栄養学の分野です。疾病の原因や病態を栄養学的な面から研究して、治療と予防に役立てる学問との認識もあります。臨床栄養に携わるのは主には医師と病院で勤務する管理栄養士となるのですが、団体としては日本臨床栄養学会と日本臨床栄養協会があげられます。 日本臨床栄養協会というと、厚生労働省のサプリメントアドバイ


なぜトンデモ説をメディアで話す医師が減らないのか

トンデモ説というのは、話の表面だけを聞いていると、納得できそうなことであっても、根本を知ると、どうも違うのではないかと指摘されるような説を指しています。これが宝探しや観光地で説明される由来のようなことなら、それほどピリピリと反応することもないのかもしれませんが、トンデモ説が身体のこと、健康や医療のことという命に関わってくる話だと、簡単に見逃すことはできなくなります。 そんな、とんでもないトンデモ


栄養指導をすれば医師は稼げるのか

医師から的確な栄養指導、食事指導がないのは教育体制に問題がある、と紹介したことの続きですが、もっと根本的な理由としてあげられるのは「栄養指導をしても診療報酬が得られない」と医師たちが声を合わせる歴史的な背景です。 入院施設がある病院には、栄養管理、栄養指導を担当する管理栄養士がいます。栄養士は栄養の基本を学校(栄養士養成施設)で学んで卒業したことで取得できる国家資格で、主には健康な人を対象として


栄養指導が的確にされない理由を考える

病院やクリニックで医師から食事の指示をされたことがある人なら、「もっと的確な指示をしてほしい」と感じたことが多いかと思います。「指示もしてくれなかった」「食事について書かれたプリントを渡されただけ」という人のほうが多いかもしれません。こんな書き出しをしているのは、日本メディカルダイエット支援機構のメンバーも、栄養指導の内容がわかりにくくて苦労をさせられたことがあるからですが、その理由として一番に指


なぜ色素が活性酸素を消去するのか

紫外線は活性酸素を多量に発生させますが、紫外線を浴びることで光合成を行って成長する植物が、紫外線を浴びて活性酸素が多く発生して細胞が破壊されるのでは成長することも、生き延びることもできなくなります。そこで紫外線による活性酸素の発生に対応するために、抗酸化物質である色素成分を生体内で作り出して、内部に多く溜め込んでいます。 植物の色素は紫外線が強いほど多くなり、色が濃くなる傾向があります。太陽光が