カルシウムの吸収率は低い
食品やサプリメントに含まれるカルシウムは、そのままの量が腸から吸収されるわけではありません。1日に600mgのカルシウムを食品から摂ったとすると、吸収されるのは平均して200mgほどです。
吸収されなかったカルシウムは、どこに行くのかというと、腸を通過して最後は排泄されるわけですが、カルシウムには腸の蠕動運動を盛んにする働きがあり、便通をよくするために使われます。
ヨーロッパの水は、カルシウムが多く含まれている硬水となっています。ヨーロッパで水道水を飲むと軟便になるといわれるのは、その中にカルシウムが多く含まれているからで、カルシウムが少ない軟水を飲んでいる日本人の場合には、軟便を通り越して下痢になることもあります。
カルシウムは、胃や腸の中に野菜(特にほうれん草)に多く含まれるシュウ酸があると、それと結びついてシュウ酸カルシウムとなり、カルシウムとして吸収されなくなります。そのため、シュウ酸が多い食事をすると、カルシウムの吸収量が低下することになります。
腸から吸収されたカルシウムは血液中に入りますが、血液中ではカルシウムはリンとバランスを取っています。血液中のリンが多くなると、リン酸カルシウムとなって、体に必要のないものとして排泄されるため、せっかく吸収されたカルシウムが不足するようになります。リンは、食品添加物や清涼飲料水にリン酸塩として多く含まれているので、加工食品を食べる人、清涼飲料を飲む人は、リンの摂取が多くなり、カルシウムが減少するようになるわけです。