カルシウムの摂取量については、国民健康・栄養調査で発表されています。
以前からカルシウムは不足していることが指摘されてきましたが、年齢別に加えて、男女別の調査結果が発表された平成11年時点では40代の女性は当時の摂取基準量の1日600mgに対して、「10%も足りない」と報道されたものでした。そこから改善傾向は見られず、平成26年国民健康・栄養調査の概要を見てわかるように、カルシウムの摂取量は足りていません。
国民健康・栄養調査の摂取量は飲食によるもので、サプリメントは含まれていません。
サプリメントを摂取すれば足りるではないか、とも思われがちですが、カルシウムの特徴を知ってサプリメントを摂らないと無駄にもなりかねません。カルシウムは摂取のタイミングによって吸収率が大きく異なります。
カルシウムは神経作用や細胞のミネラルバランス調整などのために1日に180mgが必要となっています。これには個人差はありますが、カルシウムの吸収率は約30%であるので、1日の摂取量が600mgとされました。
カルシウムは胃腸でイオン化してから吸収されるので、イオン化しやすい空腹時に摂った場合には30%吸収率が確保されます。しかし、食後に摂った場合には消化のために胃液の濃度が下がり、イオン化も進みにくくなります。そのために、吸収率が下がります。カルシウムは起床後か就寝前の空腹時に摂るのが効果的ということになります。
吸収率が低くても、サプリメントで多くの量を摂ればよいのでは、という発想は誰もがしがちですが、一定時間にイオン化できる量は決まっているので、多くの量を摂っても、イオン化できなかった分は吸収されずに排泄されます。そこで食事と食事の間の空腹時に、何回にも分けて摂ることがすすめられています。