008 歩いて燃焼する筋肉は歩いて増やす

筋肉には速筋と遅筋があります。これは筋肉の性質によって使い分けられている名称です。速筋は速く動くことができる筋肉で、強い力を発揮することができます。ただし、長く強い力を継続させることはできません。遅筋は遅くしか動けず、大きな力は出ないものの、長く動き続けることができる筋肉です。
速筋と遅筋は別の名前もつけられていて、速筋は白筋、遅筋は赤筋と呼ばれています。これは筋肉の色が違っているからで、白筋は白い色をしていて、赤筋は赤い色をしていますが、赤筋にはミオグロビンという酸素を貯蔵する鉄が含まれたたんぱく質が含まれているからです。また、エネルギー産生をする小器官のミトコンドリアが多く含まれていることも関係しています。ミトコンドリアにはチトクロームという鉄を含んでいるたんぱく質があります。
赤筋(遅筋)の中に酸素が多くあるということは、その酸素を用いて糖質や脂質を燃焼させるためにミトコンドリアが働いています。つまり、赤筋は酸素を多く取り込んで、ミトコンドリアによって燃焼させてエネルギーを作り出す筋肉であって、脂肪を燃焼させるためには赤筋が多くて、その赤筋を多く動かすのがよいことになります。赤筋は有酸素運動によって必要性が高まると太くなっていく性質があるので、赤筋を増やすには歩くことが必要になります。つまり、歩くことで筋肉が増えれば、歩くことでより脂肪が燃焼するようになるということです。
しかし、筋肉を増やすというと強い負荷がかかる筋トレをイメージするかもしれませんが、これは白筋(速筋)が太くなるための運動で、白筋が増えても脂肪の燃焼は高まりません。というのは、白筋が主にエネルギー源として使っているのは糖質(ブドウ糖)だからです。