ブドウ糖が含まれる糖質を多く摂ると、インスリンを分泌する膵臓に負担がかかり、これが続く膵臓から分泌されるインスリンが大きく減るようになります。その反応の行き着く先が糖尿病です。だから、糖尿病にならないようにするには糖質を減らすことが必要だとの考えも出てくるようにもなります。
しかし、糖尿病は膵臓が疲弊するまでインスリンが多く分泌されることが問題で、インスリンの分泌を促進するのはブドウ糖だけではありません。インスリンには肝臓で合成される脂肪酸を増やす作用があり、さらに血液中に多くなった中性脂肪を脂肪細胞の中に蓄積させる作用もあります。脂肪が多く含まれる食品を食べたときにはインスリンが多く分泌されるようになります。
欧米人や、アジア人でも肉食が多い東アジア(中国、モンゴルなど)の人は歴史的に肉食が多く、脂肪を多く摂ってきたことからインスリンが必要で、そのために膵臓の働きが高くなっています。肉を多く食べても膵臓が疲弊するようなことはありません。しかし、日本人は歴史的に脂肪を多く摂ってこなかったために、膵臓から多くのインスリンを分泌したことがありません。
肉食が多くなりすぎるとインスリンが多く必要になりますが、膵臓はブドウ糖と脂肪酸が血液中に多く入ってくる間は、ずっとインスリンを分泌し続けます。そして、限界まで働くと、急にインスリンの分泌量が低下してしまいます。このような状態になると回復することはなく、これが糖尿病の始まりとなります。