細胞の中のミトコンドリアでエネルギー産生を行うには、エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質をミトコンドリアに送り込むことが、まずは必要です。糖質はブドウ糖に分解され、脂質は脂肪酸に分解されます。たんぱく質はアミノ酸に分解されるのですが、たんぱく質は身体を構成する重要成分で、ホルモンや神経伝達物質、免疫物質などもたんぱく質から作られます。ブドウ糖と脂肪酸が大きく不足した場合にだけエネルギー源となるので、一般にはブドウ糖と脂肪酸がミトコンドリアに取り込まれるようにすればよいわけです。
ブドウ糖と脂肪酸の代謝、つまり一般にいわれるエネルギー産生のための燃焼のためには、ブドウ糖をミトコンドリアに取り込むとともにミトコンドリアの中での代謝を促進させるα‐リポ酸、脂肪酸と結びついてミトコンドリアの膜を通過するL‐カルニチンが必要です。そして、ミトコンドリア内での代謝を起こす酵素の補酵素となるコエンザイムQ10も必要です。これらの3成分は三大ヒトケミカルと呼ばれています。ヒトケミカルの命名者は、日本メディカルダイエット支援機構の理事でもある研究者(工学博士)です。
三大ヒトケミカルは体内で合成されるものの、20歳をピークにして合成が減少して、これが加齢による代謝低下の大きな原因となっています。その有効性から医薬品成分として使われてきましたが、今では食品成分としても許可され、サプリメント成分として使われています。そのため、年齢を重ねた人だけでなく、若い人でも身体を酷使するスポーツ選手などには重要な成分として認識されるようになっています。