糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもので、糖質はブドウ糖などの単糖が複数結びついています。この結びつきは胃から分泌される消化酵素によって単糖に分解されるのですが、主に細胞の中でエネルギー源として使われるのはブドウ糖です。ブドウ糖は、膵臓から分泌されるホルモンのインスリンの働きによって細胞に取り込まれます。インスリンの分泌が盛んになるのは食後に血液中のブドウ糖が増えたときです。
細胞に取り込まれたブドウ糖は、細胞内にあるミトコンドリアに入っていきますが、そのときに必要になるのがα‐リポ酸です。α‐リポ酸は体内で合成されるものの、20歳をピークにして減少し続けます。α‐リポ酸は食品成分として許可されていることからサプリメントとして使うことができます。ブドウ糖は酸素を使わなくてもエネルギーを作り出せますが、ブドウ糖1分子についてエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)は2分子しか作られません。ところが、ミトコンドリアの中になるTCA(tricarboxylic acid cycle)回路では酸素を使って、ブドウ糖1分子からATPは36分子も作り出されます。
ブドウ糖はミトコンドリア内ではピルビン酸、アセチルCoAに変化したあとにTCA回路ではクエン酸から次々と別の酸に変化して、変化の途中でATPが作られます。一周したら再びクエン酸に戻って代謝を続けることから回路(サイクル)と呼ばれています。
この仕組みからわかることは、ブドウ糖を代謝させて効率よくエネルギーを作り出すためには酸素を多く吸い込みながら身体を動かす有酸素運動が有効だということです。有酸素運動というとウォーキング、ランニング、サイクリング、スイミングなどの酸素を多く吸わなければならない運動で、急に大きな力は出なくても長く続けられる運動となっています。