052 オリゴ糖はビフィズス菌のエサになる

腸内細菌の善玉菌の代表といえばビフィズス菌ですが、ビフィズス菌入りのヨーグルトやサプリメントを摂れば腸内のビフィズス菌が単純に増えるというわけではありません。腸内細菌は誕生したときから腸内にいたものではなくて、母親の体から移動してきて口に入り、腸内に定着したものです。だから、エサになる栄養源を摂らなければ生き延びることができません。
その栄養源は善玉菌と悪玉菌では異なっています。善玉菌の栄養源は糖質です。食物繊維と乳製品もあげられていますが、食物繊維は糖質が結合したもので、胃と小腸では分解されず、大腸で善玉菌によって分解されてブドウ糖などの糖質となります。乳製品には乳糖が含まれていて、これは胃の消化液で分解されて乳糖が大腸まできたときに善玉菌の栄養源となります。
糖質は善玉菌の全体的な栄養源となっていて、ビフィズス菌の場合には特にオリゴ糖を好んで取り込んでいます。
ビフィズス菌は30種類ほどありますが、人間の腸内には10種類のビフィズス菌が生息しています。それぞれ適したオリゴ糖があり、すべてのビフィズス菌を活性化するためには、すべてのオリゴ糖を摂る必要があります。オリゴ糖はブドウ糖が2〜10個ほど結合した少糖類で、オリゴには少ないという意味があります。ブドウ糖や果糖などの単糖類とデンプンなどの多糖類の中間に位置づけられます。胃と小腸では分解されず、大腸まで届けられるという特徴があります。エネルギー量は砂糖の半分ほどとなっています。オリゴ糖にはテンサイや砂糖大根のビートオリゴ糖、玉ねぎ、にんにく、バナナなどのフラクトオリゴ糖、母乳や乳製品のガラクトオリゴ糖、牛乳の乳糖から作られる乳果オリゴ糖、大豆の大豆オリゴ糖、トウモロコシのキシロオリゴ糖があります。