都会で生活していると階段の上り下りは日常的なことで、筋肉を刺激するトレーニングになっているということは特に意識することはないはずです。地方で生活している人が、都会に出て、エスカレータとエレベータが設置されていない建物や歩道橋を渡ると、階段を上り下りしていると筋肉に疲れを感じて、筋肉の力が低下していることを実感することがあります。
筋肉は刺激を与えないと細くなっていきます。片足の怪我をして1週間も動かさないと、怪我をした側の足の筋肉が細くなったことがわかります。このことは「筋肉が減った」と表現されるのですが、筋肉を構成する筋繊維は数が減ったり増えたりすることはなくて、筋繊維の数は誕生したときから変わりません。筋肉を刺激すると筋繊維が傷つき、筋繊維にタンパク質が取り込まれて修復されます。これによって筋肉が太くなり、パワーがつき、普通に歩いているときにも筋肉が脂肪をエネルギーとして効果的に使えるようになるのです。
普通に階段の上り下りをするだけでは筋肉が増えにくいという人には、椅子を使っての筋肉貯金のためのスクワットをすすめています。筋肉貯金は、筋肉を刺激する運動をすることによって筋肉を貯金のように増やすことをいいます。筋肉は負荷をかけて刺激することによって太くすることができることから、貯金のようにためて、将来のために蓄えることができます。年齢を重ねていくと筋肉運動をしても筋肉が太くなりにくくなることから、若いうちからの筋肉貯金がすすめられます。
次にスクワットについてですが、スクワット(squat)はしゃがむことを指す英語で、上半身を伸ばしたまま膝の屈伸をして、しゃがんで立ち上がる動きを繰り返します。ゆっくりと曲げ伸ばしすること、曲げ切らず、伸ばし切らないことで刺激が長く続き、成長ホルモンが多く分泌されて筋繊維が太くなるようになります。
椅子を使ってのスクワットは、椅子から立ち上がるとき、座るときの動きを、まず行います。筋力がついてきてからは椅子なしで同じ動きのストレッチをやって、ふとももの前と後ろの筋肉、お尻の筋肉を鍛えていきます。スクワットだけで案外とつきにくのが、ふくらはぎの筋肉です。ふくらはぎの筋トレは壁に手をついて、身体を斜めにして腰を入れた壁押しをします。ふくらはぎを意識して、力を入れることで鍛えていくことができます。