081 1日に1万歩の意味

1日に1万歩を歩くのが健康によいと言われてきましたが、今では8000歩でよいというデータが発表されたり、国民の歩数が年々減っていることを受けて、そもそも1万歩の意味は何だったのかという疑問が寄せられることが多くなっています。
1日1万歩を歩こうと言われ始めたのは1964年(昭和39年)の東京オリンピックをきっかけに日本歩け歩け協会が設立され、翌年に「1日1万歩運動」が始まってからです。この年に初代の万歩計(万歩メーター)が発売されています。当時は食生活の欧米化が進み、運動量も減ったことから、1日の摂取エネルギー量が消費エネルギー量を300kcalほど上回っていました。この過剰分を運動で消費するには3000歩の歩行が必要で、当時は7000歩ほどを歩いていたことから合わせて1万歩となったわけです。
現在の歩数の目標は健康日本21で示されています。健康日本21は健康増進法に基づいて策定された「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」によって厚生労働省が発表した国民の健康づくり運動のことです。食事、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康、糖尿病、循環器病、がんについて10年間で達成する目標を定めています。第一次は2010年まで、第二次は2022年までとなっています。
第一次では1997年(平成9年)に男性が8202歩、女性が7182歩であったのを10年かけて1000歩ずつ増やすことが目標とされました。しかし、実際には800歩ほどずつ減っていました。そこで第二次の健康日本21では男性が9000歩、女性が8500歩を目標として示されています。