水素を摂ることでダイエットができるのかという質問には、二つの返答があります。一つは水素水や水素のサプリメントを販売する３社が２０１７年に消費者庁によって景品表示法（不当景品類及び不当表示防止法）に基づく措置命令を受けました。景品表示法では合理的な根拠がないものを、あたかも根拠があるかのような表示をして販売をしたときに出されるもので、ダイエット効果を示す根拠がないということで販売中止、商品の回収が命じられます。
措置命令を受けたということで、水素にはダイエット効果がないという評価が下されたものの、これは措置命令を受けた会社の商品に合理的な根拠がなかったということで、その他の水素商品にダイエット効果がないということではありません。しかし、消費者庁による措置命令は威力があり、水素にはダイエット効果がないという評判をひっくり返すのは大変なことです。
もう一つの返答は、脂肪を燃焼させる細胞のミトコンドリアのＴＣＡサイクル（回路）には水素が関与していて、水素のマイナス電子のやり取りでＴＣＡサイクルが進み、エネルギー物質のＡＴＰ（アデノシン三リン酸）が作られます。水素は脂肪の代謝には必要なものですが、不足すると代謝は低下するとしても、多く摂ったからといって代謝が高まるということではありません。