細胞の中で行われる代謝は、細胞のミトコンドリアにあるTCAサイクル(回路)で、ブドウ糖や脂肪酸から変化したアセチルCoAが変化していくことによってエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を作り出しています。このときに酸素が必要であることから、ダイエットのためには酸素を吸い込むことがよいとされます。運動後の酸素不足の状態で吸引する酸素吸入器は、口の中に多くの酸素を送り込むことができるものの、この酸素がすべて肺に取り込まれるわけではありません。多くは逆戻りして、口から出て行っていまいます。
普通の呼吸によって肺の中に入った酸素は、赤血球のヘモグロビンに結びついて血液中を通って、全身の細胞に運ばれます。細胞に取り込まれた酸素はミトコンドリアに入り、TCAサイクルの中で代謝が高まるほど酸素が多く使われるようになります。酸素をミトコンドリアに運ぶためには、ミトコンドリアが特に多い筋肉が動いて、筋肉の中に酸素が多く送られることが必要になります。ということは、運動をすることが細胞に多く酸素を取り込んで、脂肪の燃焼を高めることにつながります。
ここで紹介したのは結合型酸素で、この他に高濃度の酸素を加えた水(酸素水)があり、これは溶解型酸素と呼ばれています。腸管から吸収されて血液中に溶け込んで細胞まで運ばれるので、赤血球を介するよりも多くの酸素を細胞に届けることができる特徴があります。